トヨタ自動車の豊田章男社長は4月10日にトヨタ東日本学園(宮城県大衡村)で記者団と懇談し、円高の是正に伴う今後の投資方針について「長いタームで生産設備の構えや人材育成を考えたい」と述べた。
円高の是正によって収益の改善が見込まれることに対し、豊田社長は「短期的な今年1年の収益云々でなく、持続的成長を成しうる競争力をつけることが重要」と語った。
このためグローバルな設備投資についても「長めの視点で、為替フリーに資するように生産拠点を考えていきたい」との意向を示した。トヨタは今後3年間、国内外では原則新規の工場投資は控える方針を打ち出している。
豊田社長は、業績の改善に手ごたえを感じながらも「余りブレないように取り組んでいきたい」とし、設備投資など当面のカジ取りには慎重な姿勢を示した。豊田社長は同日、トヨタグループによる東北復興プロジェクトのオープニングセレモニーに出席し、トヨタ東日本学園やトヨタ自動車東日本などを視察した。