【GARMIN ForeAthlete 10J インプレ前編】小さい・軽い・安い、三拍子そろったエントリーGPSランニングウォッチ

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見た目はよくあるカジュアルウォッチといった感じ。よく見れば、ボタンの数が多い事と、ボディの厚みがあることから普通の腕時計ではないと分かる。
  • 見た目はよくあるカジュアルウォッチといった感じ。よく見れば、ボタンの数が多い事と、ボディの厚みがあることから普通の腕時計ではないと分かる。
  • GARMIN ForeAthlete 10J
  • ベルトは細身でかなり柔らかいので、腕にぴったりフィットする。
  • 本体右側にはジョギング開始/終了時に押すトレーニングボタンと、メニューを選択するスクロールボタンがある。中央のくぼみはパソコンに接続するケーブルを装着するためのもの。
  • 本体左側は電源/バックライトボタンと戻る/ラップボタンがある。ボタンはどれも同じ形状で、50m防水とは思えない押しやすさだ。
  • ディスプレイは小さなボディサイズを考慮してもさらに小さく、ベゼルの面積が大きい。しかし、非常にコントラストが高く、くっきりと見やすいのは好印象だ。
  • 裏面はケーブルと接触する接続端子が4つ並んでいる。
  • パソコンと接続したり充電をするための専用ケーブル。ごくシンプルな構造だ。

春本番を迎え、ジョギングで汗を流すのが気持ちいい季節になってきた。東京マラソンを始めとする数々の市民マラソンを見ても分かる通り、ジョギングブームはますます盛り上がり、浸透している。春の新生活とともにジョギングを始めようという人も多いと思われるが、そんな人にピッタリなのがこのGARMIN『ForeAthlete 10J』だ。

◆ジョギングの必需品になりつつあるランニングウォッチ

公園や河川敷などを走る人を見ていると、最近のジョガーはしっかりと準備をしていて、足を傷めないジョギングシューズや、ハイテク素材のウエアに身を包んで効果的なトレーニングをしている。しかし、その腕にランニングウォッチをはめている人はまだそれほど多くないようだ。シューズやウエアと同じくらいにジョギングの必需品であるランニングウォッチなのに、なぜ? と思わずにいられない。

ランニングウォッチはGPSなどを使い、ジョギングに関するさまざまなデータを計測、保存するもの。ストップウォッチのようなものと思っている人もいるかもしれないが、その機能は単純な時間計測などとは全く別次元のものだ。そして、ランニングウォッチの機能は専属コーチのような指導者がいない人にこそ、有用。よく、趣味で走っているだけだから、という理由でランニングウォッチを敬遠する人がいるが、全く逆だ。そんな人にこそ、ある時はコーチとなり、ある時は練習仲間の役割も果たしてくれるランニングウォッチがマストアイテムだといえる。

ランニングウォッチには大きく分けて2つの役割がある。一つは、効果的なトレーニングによりタイムアップを可能にする実力向上のための道具。各種のデータ計測機能により、以前なら指導者やトレーナーがついていなければできなかった練習がランニングウォッチによって可能になった。もう一つは、走りに楽しみややりがいをもたらし、モチベーションをアップするための道具。多くのジョガーはモチベーションの維持に苦労する事が多いと思うが、挫けそうな心をランニングウォッチの示すデータが救ってくれるのだ。

今回紹介するForeAthlete 10Jは後者の役割に重きをおいたカジュアル志向のモデル。ピンクやグリーンなどのカラーバリエーションも用意し、初心者や女性のジョガーにもよく似合う。まだランニングウォッチを持っていない全てのジョガーにおすすめしたいモデルだ。

◆重量36グラム、頑張ってる感をにじませない軽快さが身上

GARMINのランニングウォッチであるForeAthleteシリーズは基本的にナンバーが大きいほど上級モデルとなる。ランニングだけでなく水泳のストローク検出も可能なトライアスリート向け910を筆頭に、610、210そして110というラインナップを揃える。そして、今回発売された本機はForeAthlete10J。すべて3桁だったナンバーが2桁になった。このことから分かる通り、本機は従来のForeAthleteシリーズとはやや異なるキャラクターとなっている。

まず、とにかく小さく、軽い。従来のボトムエンドモデルであるForeAthlete 110の横×縦、厚みが45mm×75mm×13mmで重さ52グラムだったのに対し、本機は40.1mm×52.2mm×15.7mmで重さ36グラム。その差は歴然で、特に重さが2/3程度しかないのが印象を大きく左右する。本機を手にしても重みをほとんど感じないのだ。また、縦方向のサイズも大幅に小さくなったため、細い腕に装着しても全く違和感がない。

本体のデザイン、質感も高級志向だった従来のForeAthleteとは全く異なり、プラスチックの質感をあえて強調したカジュアルなイメージになっている。さらに、ForeAthleteシリーズでは珍しくカラーバリエーション展開を実施した。用意されるカラーは写真のグリーンのほか、ピンクとブラックの合計3色だ。ただし、ブラックのみ専用のボディを採用しているため、本体サイズがやや大きく(45.5×57.2×15.7)、重量も少し重く(43グラム)なっている。ブラックだけが従来通りの高級路線で、グリーンとピンクがカジュアル路線と考えていいだろう。

この軽快さは女性に歓迎されるにちがいない。しかし、決して女性専用というわけではなく、多くの人におすすめしたいモデルだ。ランニングウォッチを使っていない人の中には「大げさな機械を使いたくない」あるいは「ランニングウォッチを付けて走るのが気恥ずかしい」という人もいる。たしかに、従来のランニングウォッチには「私こんなに頑張っちゃってます」という雰囲気を出してしまうんじゃないか? そんなイメージがあった。しかし、本機にはそういった自己主張は全くない。この点こそが、本機の最大のセールスポイントだといえるかもしれない。

補足すると、本機は価格もまたライト級。各色とも1万4800円(正規輸入代理店のいいよねっとのオンラインストアでの価格)という、ちょっと高めのジョギングシューズ並の価格となっている。価格がネックになってランニングウォッチの購入に二の足を踏んでいた人にもおすすめできるのが本機だ。

◆「みちびき」対応のGPSレシーバーを搭載、防水性能は上級モデルを凌駕する50m

本機はそのコンセプトに基づいて、機能は非常にシンプルに割り切っている。具体的に説明していこう。機能の中心となるのは当然ながらGARMINの代名詞でもあるGPSレシーバーで、これによりランナーの位置を測位。走ったコース、距離、ペースなどを記録、あるいはディスプレイに表示する。GPSレシーバーは日本独自の衛星である「みちびき」に対応しているため、正確な測位が可能だ。

ディスプレイはサイズが幅25mm、高さ24mmのほぼ正方形。解像度は55×32ピクセルと最小限だ。バッテリーも使用時(GPS受診時)が5時間と短めで、この辺りは軽量コンパクトを身上とする本機が割り切っているポイントだ。もっとも、5時間のライフがあれば趣味のジョギングには十分すぎるのは言うまでもない。最近流行しているウルトラマラソンのように一日中走り続ける競技には使えないが、そういった競技をする人は本機の守備範囲外といえる。

バッテリーについてはパワーセーブモードでは約5週間使える。パワーセーブモード時にはディスプレイに時間と日付が表示され、腕時計として使用することができる。このあたりはほかのForeAthleteシリーズの多くのモデルと同じ仕様だ。

ほかのForeAthleteシリーズが対応している外部センサーについては、本機はその機能が省略されている。つまり、別売のハートレートセンサーと組み合わせて心拍数をモニターするといったことはできない。これについては少し残念な気もするが、無ければ困る機能というわけでもない。

このようにシンプルな機能に抑えられている本機だが、上級モデルを凌駕している面もある。それが防水性能で、本機は50m防水を実現。これはForeAthleteシリーズの最上位モデルである910XTJと同じスペックだ。本機は水泳競技に対応しているわけではないが、プールならストップウォッチとして、遠泳なら泳いだコースの記録にも使える。そういった用途に使わないとしても、汚れたらジャブジャブ洗えるタフネスさは心強い。これだけの防水性能を持ちながら、ボタンの操作フィーリングが良好なのも嬉しいポイントだ。

《山田正昭》

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