東京メトロ、2013年度事業計画を発表…混雑緩和策や安全・安定運行への取り組み強化

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東京メトロ、有楽町線のホームドアを整備
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東京メトロは、2013年度の事業計画を発表した。

輸送改善では、有楽町線・副都心線で、千川~小竹向原駅間への連絡線設置による立体交差化の推進などにより、輸送の安定化を推進する。東西線で、南砂町駅における線路・ホーム増設などの改良、木場駅での昇降設備増設などの大改良、茅場町駅、門前仲町駅及び東陽町駅の改良を実施するほか、都心部で折返し線整備を検討するなど、混雑緩和と乗降時間短縮による遅延防止を図る。

銀座線は、朝ラッシュ時に上野駅折返し列車を一部浅草駅まで延長し、遅延防止を図るとともに、夜間・深夜時間帯の列車増発による混雑緩和を図る。丸ノ内線は、夜間・深夜時間帯の列車増発による混雑緩和を図る。6両編成の運行に対応できるよう、方南町駅ホームの延伸工事を進め、池袋方面からの直通運行に向けた整備を推進する。

日比谷線で、信号設備改良により遅延防止を図る。東西線は、早朝・深夜の列車を増発するとともに、オフピークキャンペーンなどにより、利便性向上と混雑緩和を図る。千代田線北綾瀬~綾瀬間で、利便性向上、輸送力増強、現在乗換駅となっている綾瀬駅の混雑緩和を図るため、列車を増発する。10両編成の運行に対応できるよう北綾瀬駅ホームの延伸工事に向けた準備を推進し、代々木上原方面からの直通運行に向けた整備を推進する。

半蔵門線九段下駅の信号設備を改良するとともに、清澄白河駅折返し列車を一部押上駅まで延長し、遅延防止を図る。輸送障害時、押上駅から東武スカイツリーライン間の輸送を確保するため、押上駅折返し設備を整備する。

鉄道の安全・安定運行に向けた取り組みとしては、有楽町線へのホームドア設置を完了させるとともに、銀座線への設置に向けて必要な準備工事を実施する。日比谷線と千代田線への設置に向けても検討を開始し、他路線についても相互直通他社との協議の上、検討する。

戸挟み対策や列車風対策など、ホームでの安全性向上施策を推進する。火災対策としては、排煙設備が未整備である駅について整備を進める。トンネルの構築物劣化対策として、日常の検査・補修を確実に継続するとともに、現場の環境条件を的確に見極めた長寿命化技術の研究にも積極的に取り組む。

総合指令所の免震化、非常電源の長時間化、通信設備の改良、浸水対策などの機能強化に着手する。走行安全性向上のため、車輪とレール間の潤滑最適化、PQモニタリング台車や走行状態監視装置による営業線での連続的・恒常的な脱線係数監視、文献調査と情報共有化などの取り組みを強化する。安全性の向上を目指した新技術の開発も推進する。

自然災害対策では、地震発生時に地震警報装置及び早期地震警報システムの活用により、輸送の安全を確保する。地震発生時の対応として、残された諸課題について引き続き取り組んでいくとともに、万全を期すため、関係各所と連携して検討を進める。帰宅困難者対策として、今後の状況を踏まえ、備蓄に対応するほか、災害発生に備えた各種訓練を実施する。

施設の耐震性の強化として、これまで実施してきた阪神・淡路大震災後の緊急耐震工事に加え、従来補強不要と判定されていた高架橋柱の全数を対象に、耐震補強工事を推進する。エレベーターの閉じ込め防止対策として、一部のエレベーターでリスタート機能の整備を完了させる。

大規模浸水対策として、換気口への新型浸水防止機の設置を推進する。出入口については、止水板の改良、擁壁の嵩上げ、既存構造物を利用した完全防水に加え、建て替えによる完全防水を実施するとともに、坑口などへの浸水対策についても推進する。海抜表示版も設置、駅構内で避難に必要な情報提供を充実させる。

安全管理体制では、安全管理規程に基づき、安全内部監査を実施し、輸送の安全確保に関する業務が適切に行われていることを確認する。ヒューマンエラーによる事故の減少に向け、各部門でのヒューマンエラーマネジメントの定着を図る。

鉄道システム全体での知識・技術の習得・伝承のため、総合研修センターの設立を推進する。

利用者視点に立ったサービスの充実では、駅構内のバリアフリー化を推進するため、積極的な用地取得により、エレベーターなどによる1ルート整備率(段差解消率)100%の2014年度中の実現に向けて取り組む。病院に近い駅などには2ルート目のエレベーターを設置するほか、主要なルートのエレベーター・エスカレーターの設置を進める。多機能トイレについても、整備率100%を目指して整備を推進する。

銀座線は、全ての駅改装、ホームドア設置などの大規模なリニューアルに向けた準備を進めるとともに、新型車両を順次導入する。渋谷駅街区基盤整備の一環として銀座線渋谷駅の移設についても引き続き取り組み、乗換利便性の向上、バリアフリー設備の整備を図る。

地下の駅冷房未設置駅の冷房化を推進する。駅構内デジタルサイネージ、改札口や車内のディスプレイ、Twitterなど、多様な情報発信ツールの活用により、駅や車内で適時適切な情報を提供する。駅構内無線LANを活用した情報配信サービスや、無料インターネットサービスなどを試験的に実施する。

設備投資計画は安全対策に312億円、自然災害対策に26億円、輸送改善に78億円、旅客サービスに333億円、関連事業に44億円、経営効率化に57億円、環境対策に102億円を投じる。総額は954億円。

《レスポンス編集部》

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