ナビタイムジャパン大西啓介社長は15日、国際自動車通信技術展(ATTT)の中でプレゼンテーションを実施。「ナビゲーションはクルマの中で3つの進化を遂げる」として、スマートフォンのナビゲーションアプリと自動車との連携について語った。
ナビタイムジャパンはスマートフォン向けナビアプリ『NAVITIME』で、「トータルナビゲーション」としてあらゆる移動手段に対する最適な案内を目指しサービスをおこなう。大西社長は「多数の無料ナビアプリとの違いはきめ細やかなサービス」として、鉄道の遅延や渋滞などプローブ情報やVICSを組み合わせた独自の情報網によるリアルタイム情報の提供に特に力を入れる。
大西社長は「ITとクルマの融合によって期待されるナビゲーションコンテンツと公共交通最適化」をテーマとしたプレゼンテーションの中で、リアルタイム情報を活用したナビゲーションの車載化に関する、3つの取組みを紹介した。
ひとつはディスプレイオーディオを活用したスマートフォンナビゲーションとの連携。現在、スズキ『MRワゴン』に採用されているもので、スマートフォンのナビアプリ画面を車載ディスプレイに表示するというもの。画面が小さいというスマートフォンの弱点を解決することができる上、高価なカーナビを購入する必要がないことがメリットだ。大西社長は「5~10万円のカーナビよりも高性能。ディスプレイオーディオが2万円台で市販されれば、低価格帯車の主流になる」と話す。
いっぽうで、高価格帯車に搭載されるカーナビに向けた連携をふたつ目のソリューションとして挙げる。高価格帯の車に搭載される通信機能を搭載したカーナビ向けには、渋滞情報、駐車場の満空情報、充電スタンド、レストラン情報など、同社が持つリアルタイムコンテンツをサーバ経由で提供する。
3つ目として、今回ATTTの展示でもメインのひとつとなっている『NaviSDK2』と呼ばれるナビゲーション開発キットを紹介した。ルート検索、マップマッチングといったナビゲーションエンジンをキット化し、その上でUI(ユーザーインターフェース)を組み合わせることで、用途、業種に応じた車載ナビゲーションを独自に開発できるというもの。スマートフォンのテザリングを活用し、独自のデータサーバを活用できるほか、最新のスポット情報や地図の更新もおこなうことで、利便性の高い業務システムを簡単に実現することができる、とした。
プレゼンテーションではこの他、同社のサービス・取り組みを総合的に紹介。今回、ATTTアワードのビジネスソリューション部門優秀賞を受賞した業務管理システム「動態管理ソリューション」、「公共交通の最適化」に向けたデータ収集や自治体などへの働きかけなど最新の取組みをメインに据えた。