BASFジャパンは東京国際フォーラムにおいて、BASFの幅広いイノベーションを伝える“We create chemistry ワールドツアー Marketplace of Innovation”を開催。その会場に”smart forvision”を展示した。
BASFジャパン研究開発室の山下秀樹氏によると、このsmart forvisionは、大きく三つの技術の柱があるという。それは、「多機能軽量構造、総合的温度管理、電気エネルギー効率」である。
そのうちの多機能軽量構造について、山下氏はまず世界初採用のオールプラスチックホイールを挙げる。「これはガラス超繊維とポリアミドとの複合材料、ウルトラミックスストラクチャーを使っており、その射出成型により連続生産を可能にしています」と述べる。また、通常のアルミホイール(約9キロ)と比較し、約3キロの軽量化、4輪合計12キロの軽量化を実現した。
さらに、シートについてもウルトラミッドストラクチャーを用いている。また、このモデルは、「ちょっとした距離の移動で使うクルマを想定しており、リクライニングなどの機能は省いています。そこでワンピースの一体型シートシェルとしつつ、快適性も実現するため、快適発泡体と、冬場は体を温めるeテキスタイル(柔軟かつ薄型のシートヒーティング)を採用しました。そこに、高吸水性樹脂を含むルクアフリースという不織布のシートを組み合わせました。表皮には、ベルベット調のデザインと通気性を両立した表皮、ステロンを用いています」とした。
その他、シャシーなどの構造部材にも繊維強化ポリマーを使用することで軽量化が可能だ。「ドアのフレームなどに、エポキシ樹脂にカーボンファイバー繊維で強化した材料を用いることで軽量化が可能になります。例えば、従来のスチールに比べ50%、アルミに比べ30%の軽量化が可能です。因みにこのエポキシ樹脂は、大量生産に適した短い硬化時間なのです」と語った。