「SOCIAL MEDIA WEEK」(ソーシャルメディアウィーク)が東京で開催されている。2月19日、東京都知事の猪瀬直樹氏が講演を行い、東京都の地下鉄と通信整備、その取り組みを支えたソーシャルメディアの存在について述べた。
副都知事のときから地下鉄の改革を進めてきた猪瀬氏は「3月16日に九段下のホームの壁がなくなります」と改めて話した。
「地下鉄の幅10mのホームの真ん中に厚さ40cmの壁があります。ホームの幅は5mずつになります。これは危ない。この壁の向こう側へ行くには階段を上り、改札を通り、また階段を降りなければならない」
この状態を生み出した壁を「バカの壁」と比喩する猪瀬氏は「これを撤去します」とした。
加えて大事なこと、と位置づけた上で「3月いっぱいですべての東京の地下鉄でメールが可能になります」と強調。「通信関連団体、業界が営団地下鉄に通信線をひかせてくれとお願いに行ってもやってくれなかった。営団地下鉄は3年も4年も棚晒しにしていた。そんな折、ソフトバンクの孫さんのTwitterでのつぶやきを見て、直接孫さんとコミュニケーションをとり、Twitterでの接触から4日後には会いました。そして都営地下鉄が通信対応することになり、続いて東京メトロも対応することになりました」
「もし都市で東日本大震災のような災害や、チリのような崩落事故があったとき、通信が活用できたから自分たちが生きている事が分かってもらえた、というようなことがあるわけです」とした。有事のインフラとして活用が見込まれる通信整備は、早急に必要であるという見解を示した。
「通信が可能であれば自分の居場所を知らせ、外の情報も取得することができる。こういう当たり前のインフラ整備が、さまざまな、“霞ヶ関の壁”などを含めた目に見えない“バカの壁”によって遅れています。それを変えました」と話した。
加えてこれまでのTwitterの利用を振り返り、「意志決定が早くなるという意味で役割は大きいと思っています」と述べた。