【ジャガー XJ 試乗】2リットルでも優雅な走りは驚くほどに健在…島崎七生人

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ジャガー XJ
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大排気量多気筒エンジンの豊かなトルクとなめらかさでシュルルルと走る…のが、ジャガーのサルーンの持ち味。ましてフラッグシップの『XJ』であれば、なおさらだ。

ところが最新モデルでは、時代の趨勢で、何と2リットルの4気筒ターボチャージドエンジンが搭載された。ここ最近『XF』や『レンジローバー・イヴォーク』で試乗済みだったが、「さすがにXJにはマッチしているかどうか…」と心配に思えたのは事実だ。

が、実際のところは、まったく問題なしだった。オールアルミ製で138kgという軽量コンパクトな2リットルエンジンは、見るからに車体中央寄りに搭載されている。スペックは240ps/340Nmだが、最大トルクは2000~4000rpmの幅広い帯域で発生。これに効率的な8速ATが組み合わせられ、メーカーの資料によれば、0~100km/h加速は同じエンジンのXFより速い7.5秒という。なので走らせてみれば実に軽妙で、昔のような“排気量差による残念な印象”は微塵もない。車外に立つエンジン音こそ4気筒のこのユニットのそれだが、ドライブ中に車内で過ごす限り、4気筒だといっても“嘘だ”と言われるかもしれない。流すように走っても、必要な加速をえようとしても自在なのは、ターボ、ATのセッティングが実に巧みだからだろう。

軽妙ながら、なめらか、しなやかなXJらしい走りっぷりもしっかりと実現されている。軽量なアルミボディが利いている。900万円の価格設定は、いかにもXJだが、上質でセンスのいいインテリアデザインといい、優雅な乗り味といい、憎いほどの出来栄えだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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