フルモデルチェンジした、マツダ『アテンザ』は「魅せる・昂ぶる・繋がる」という3つの価値が提供できるということをコンセプトに掲げている。
そのうちのひとつ、“繋がる”は、先進の安全・環境技術で社会・地球と共存するというもの。その安全面で運転支援を担当した、同社車両開発本部車両システム開発部主幹の小川伯文さんは、試乗会にて、「(運転支援は)ドライバーに、事故を回避してもらうような情報を提供することです」という。
その運転支援の考え方として小川さんは、「実際にクルマが積極的に介入していくのか、それともドライバーが最終責任を持つことを前提に最後はドライバーの判断でクルマをコントロールしていくのか、という考え方で(アプローチが)少し違ってきます」と話す。後者はクルマから情報は提供するが、最終的にはドライバーの判断で危険を回避するという考え方に基づいている。
例えば、後ろからクルマが来ているのが分かっていれば、そちらへ寄って行かないということであり、知らずに寄って行くと事故につながる。その「寄って行かない行動」に結びつくよう、情報を提供するという視点で運転支援技術が構築されている。
「我々は、極力ドライバーの運転に介入しないという方法でやりたいなと思っており、レーンデパーチャーワーニングシステム(車線逸脱警報システム)は、警告と音のみです」とし、「介入は極力しませんが、確かに効果はあると思っています。今後は、ドライバーの運転操作に違和感を与えないようなレーンキープアシストができるよう技術開発しています」という。
「あまりステアリングに強いトルクを与えない程度に、そっと戻す。それもセンターに戻すのではなく、(白線)ギリギリを走りたい方にはギリギリをずっとキープできるようになど。そんなことは考えていますね」と語った。