日産自動車の志賀俊之COOは1月7日に都内で開かれた自動車工業団体賀詞交歓会で一部報道陣に対し「日本に対し投資意欲が湧く、そこまで持っていかなければいけない」との考えを示した。
志賀COOは適正な為替水準として「目指すは(1ドル)100円。変なところで満足してはいけない」とした上で、「償却が終わった古い工場で造ったもので戦って勝てるというのが今のレベル。だけど、それでは投資が(日本に)戻ってこない」と強調。
「日産車体九州工場や、ホンダ寄居工場、トヨタの宮城の工場、いずれも(建設を)決めたのはだいたい同じ頃で、(為替水準が)117円から120円だった。あれくらいになるといわゆる製造回帰で日本に投資が戻ってくる」とも指摘。
「要するに日本にもう一回、投資を戻す。工場を新たに造って生産投資しないと、本当の再生ではない。ヨーロッパの会社はほとんど新しい工場を造らずに、古い工場をだましだまし使って輸出していたが、やはり厳しくなったのでどんどん閉鎖している。だけど日本はそうなってはだめ。日本に投資意欲が湧く、そこまで持っていかなければいけない。それで初めて成長できる。だから目指すは自国に投資する意欲がもてるかどうか」と述べた。