富士重工業は、12月19日に塵芥収集車『フジマイティー』の生産を終了、環境車両事業の生産を2012年末をもって全て終了すると発表した。
富士重工業のエコテクノロジーカンパニーが展開する環境車両事業は、主に塵芥収集車とパワーローダー、モートラックの製造、販売および修理を行ってきた。その中でも中核となる塵芥収集車事業は1962年、各自治体が都市美化への取組を強化するのに呼応し『LP101型』を発売。以来、50年にわたって「フジマイティー」のブランド名でプレス式、回転板式ともに幅広いラインナップを展開し、累計6万6864台を生産、国内外に販売してきた。
フジマイティーの生産終了に伴い、12月19日にユーザー、取引先をはじめとした来賓を迎え、同カンパニーのエコ宇都宮工場製作所にて生産完了式典を実施。式典で、吉永泰之社長は「フジマイティーは塵芥収集車の発展と技術革新をリードし、我が国の清掃行政の発展に大きく貢献してきた。50年間に蓄積されたフジマイティーのDNAは、事業譲渡先である新明和工業において新たな発展を遂げていくものと確信している」と述べた。
富士重工業の塵芥収集車事業は、長年国内トップクラスのシェアを誇る事業だったが、国内の塵芥収集車市場は、近年の環境意識の高まりによるゴミ排出量の減少に加え、長期的には人口減少等の影響により、今後厳しさを増すと予測。同社は塵芥収集車事業を2013年1月1日に新明和工業へ譲渡し、自動車をはじめとした他事業への経営資源の集中を図る。