エコはもう当たり前。今年は「安心・安全」が大きなキーワードとなった1年に感じました。そんな中で挑んだイヤーカーの選考では、私なりに掲げた3つのポイントがあります。
1つは、女性をはじめ誰もが安心して運転できるクルマであること。これはボディサイズが小さければいいのではなく、突き詰めていくと「安心=思った通りに操れること」ではないかと思います。
また、高級車など高いお金を出した人だけが安全なのではなく、安価なクルマでも同じような安心・安全が手に入ることが、幸せなクルマ社会への一歩ではないかと思いました。このポイントでとくに素晴らしかったのは、マツダ『CX-5』、スズキ『ワゴンR』/『ワゴンRスティングレー』、フォルクスワーゲン『up!』 レンジローバー『イヴォーク』です。
2つめは、どの席に乗っても安心・快適であること。これは、クルマは人と人とのコミュニケーションツールでもあると思うので、ドライバーだけでなく、パッセンジャーのことも考えたクルマこそが良いクルマであると考えるからです。今年は、小型車の後席などの安全性や乗り心地の進化を実感し、嬉しく思いました。このポイントでとくに素晴らしかったのは、CX-5、ワゴンR、イヴォーク、トヨタ『86』/スバル『BRZ』です。
3つめは、見ているだけで「乗ってみたい」と思わせること。カーライフのはじまりは、まずそこからです。クルマに憧れを持つ時代ではないと言われますが、まずは「あのクルマ、素敵だな、乗ってみたいな」と思わせる求心力が、やっぱりクルマには必要だと改めて思いました。このポイントでは、イヴォーク、up!、86/BRZがとくに素晴らしく、シトロエン『DS5』、アルファロメオ『ジュリエッタ』も心惹かれました。
このような思いで配点した結果、
●トヨタ『86』/スバル『BRZ』:2点
●マツダ『CX-5』:10点
●スズキ『ワゴンR』/『ワゴンRスティングレー』:5点
●フォルクスワーゲン『up!』:3点
●レンジローバー『イヴォーク』:5点
となりました。
毎年のことですが、今年はとくに、すべてのノミネート車に点を入れたかったくらいの素晴らしいクルマばかり。日本のカーライフは、まだまだこれから面白く、熟成していくという予感でいっぱいです。
まるも亜希子|カーライフジャーナリスト
大学在学中に声優デビューする傍らクルマの魅力に目覚め、卒業後は自動車雑誌のエディターを務める。2003年、カーライフ・ジャーナリストとして独立し、雑誌・Web・ラジオ・TV・イベント等で活動中。とくにファミリーや女性に向けたクルマ購入ガイド、ドライブや体当たりチャレンジレポート、ショートストーリーやコラムを得意とするほか、持ち前の明るい姉御キャラでノリノリトークを炸裂させている。また、雨の夜のせつないドライブを描いた作詞曲をリリースしている。
2004年・2005年、サハラ砂漠2500km走破のラリーに参戦、完走。2004~2008年、ハイブリッドカーで耐久レースに参戦、完走。AJAJ会員。チャイルドシート指導員。