気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2012年11月1日付
●首相、年内解散触れず、「経済状況含め判断」衆院代表質問(読売・1面)
●パナソニック7650億円赤字、13年3月期、63年ぶり無配、デジタル家電不振(読売・1面)
●ホンダ、ジェット生産開始、来年度後半出荷(朝日・10面)
●中国リスク各社を直撃、ホンダ、デンソー相次ぎ下方修正(産経・10面)
●トヨタ北米生産2500万台到達(産経・10面)
●米自動車3社、収益「北米頼み」鮮明、新興国の開拓で苦戦(日経・9面)
●中国市場の車品質調査、レクサス1位、国別ランキング、韓国首位、日本2位転落(日経・11面)
●マツダ、中国販売24%減、今期、営業益250億円に引き下げ(日経・11面)
●トヨタ系6社下方修正、中国・欧州で部品苦戦(日経・11面)
パナソニックが2013年3月期連結決算の業績予想を下方修正し、最終損益を従来の500億円の黒字から7650億円の赤字に引き下げた。2年連続の巨額赤字で、これに伴い従来10円を予定していた13年3月期の年間配当はゼロ。1950年以来、約63年ぶりの無配となる。
「戦後の混乱期を除いては無配になったことはない。株主のみなさまに申し訳なく思っている」と、同社の津賀一宏社長は決算説明会で陳謝。きょうの朝日、毎日、日経が1面トッで「パナソニック7650億円赤字、63年ぶり無配」などと大きく報じたほか、各紙とも経済面などで、解説記事を取り上げている。
黒字予想が一転して巨額赤字となるのは、「薄型テレビなどデジタル家電の価格下落による収益悪化に加え、携帯電話事業や投資に見合う収益が望めないリチウムイオン電池、太陽電池事業に関する将来の収益力(のれん代)の減損損失2378億円など、事業構造改革費用を3555億円計上するため」としている。
津賀社長は「当社は普通の会社ではない。これを自覚するところからスタートしなければならない」と強調した。役員報酬や管理職のボーナスカットなども断行する。唯一の救いは、12年9月中間連結決算での営業利益が前年同期比83.5%増の873億円と黒字を維持。通期見通しでも下方修正したとはいえ、1400億円を見込んでいることだ。
各紙の記事では最終損失ばかりを強調しているが、配当見送りやボーナスカットなどを実施するためには赤字を前面に打ち出したほうが、周知徹底しやすいことも考えられる。予想外の経営環境の悪化から1年で出し切れなかったウミを2年間で処理することになったようだ。