伊藤忠商事は、ウクライナの大手鉄道車両メーカーであるクリュコフ社との間で、三菱電機、富士電機など日本製機器を中心とした地下鉄車両95両分の電気品及びブレーキシステムの機器供給契約を締結した。
契約金額は約4100万ユーロ(約42億円)で、来年6月より順次納入する。同契約で納入される機器は、キエフ市営地下鉄公団(キエフメトロ)とクリュコフとの間で締結された95両の地下鉄改造車両納入契約に基づき、クリュコフが納入する地下鉄車両に搭載される。
本件は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とウクライナ環境投資庁(SEIA)が交わしたGIS(グリーン投資スキーム)に関する契約に基づく事業として実施され、鉄道車両向けとしては初の導入となる。SEIAに対してNEDOが支払った温室効果ガス排出枠(AAU)購入代金が契約代金の支払に充当される。
キエフメトロは製造後40〜50年を経過する旧ソ連製地下鉄車両を多く保有しており、その更新が急務となっている。本件により既存の直流駆動車両がVVVFインバータ制御の交流駆動車両に更新され、回生電力の利用とあいまって電力消費量が約35%削減される。