パリモーターショーの3号館には曙ブレーキが出展。同社がボーダフォン・マクラーレン・メルセデスのF1マシンに供給しているブレーキキャリパーなど、レース用パーツを展示していたが、注目は次世代技術として注目される電動ブレーキだ。
電動ブレーキはディスクブレーキパッドの押しつけ機構を電動化したもの。ブレーキペダルを踏んで発生する電気信号によりキャリパー部分のモーターが作動、車輪にブレーキがかかる。電気信号によって制御するフライバイワイヤが可能となるため、ピストンの動きを状況に応じて細かく動かすことができ、それとともに大幅な軽量化も果たす。
さらに、油圧装置が不要となることで大幅な軽量化が可能となる上、メンテナンスなどで廃液処理されるブレーキフルードが不要になる。環境負荷軽減にも大きく貢献できる。
一方で課題もある。現時点では、絶対的な制動力にまだ不安な部分もあるため、そこで負荷が大きいフロントには従来の油圧式を使い、電動式はリア用として使っていく形が想定される。細かなコントロールがしやすいため、安定した制動を行うにも都合が良い。まだ具体的に採用の目途は立っていないようだが、同社は各自動車メーカーに積極的に採用を持ちかけ、数年のうちに実用化にこぎつけたいとする。
その他、ブリティッシュ・フラッグに身を包んだFIAのGTシリーズレース向け車両MP4-12C GT3をはじめ、F1用ブレーキキャリパー、ポルシェ『パナメーラ』のフロント(北米向け)に装着されたブレーキパッドなども展示された。