【池原照雄の単眼複眼】若者よ本音をぶつけよう…「お台場学園祭」が6日開幕

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お台場学園祭の概要を発表
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  • 2012年自工会総会後会見(参考画像)

就任日に豊田自工会会長が提案

今週末の10月6日から東京都江東区の臨海副都心を会場に、クルマとバイクメーカーによるイベント「お台場学園祭2012」が始まる。日本自動車工業会の会員各社が、将来のクルマファンづくりのために力を合わせる。開幕日の6日には各社トップによるトークショーや学生との「トークバトル」が予定されるなど、経営層も率先して“クルマ離れ”の抑止に立ちあがる。

お台場学園祭は、6日から翌週14日までの土日と祭日5日間を中心に開かれる。日本科学未来館やトヨタ自動車の車両展示施設「MEGA WEB」、商業施設のヴィーナスフォートなど、お台場の主要施設が会場となる。

このイベントの発端は、5月の定時総会で自工会会長に就いた豊田章男トヨタ社長が、就任日に会員各社のトップに呼びかけ、開催で一致したことだった。今年が、東京モーターショーの休催年であることから、ショーの会場(東京ビッグサイト)があるお台場で学園祭のようなものを開き、クルマやバイクのファンづくりにつなげようという提案だった。

「こどもエンジニア教室」など盛り沢山の17イベント

準備期間はわずか4か月だったが、オープニングイベントをはじめ、すべて無料で参加できる計17の催しが用意されている(詳細はオフィシャルサイトで公開中)。自工会会員会社のみならずVW(フォルクスワーゲン)、ポルシェ、ダイムラーの日本法人も協賛参加することになり、日本各社とともに最新モデルを展示する。

将来のユーザーを掘り起こす狙いから、「こどもエンジニア教室」や「こどもモーターショー」といった親子で参加できるコーナーもある。また、実際の学園祭を先取りする形で、首都圏10大学のミスキャンパス候補によるファッションショーなど、学生が自主企画した催しも用意されている。

学生参加のイベントでは、自動車各社の首脳らと議論する「自動車メーカーVS.学生トークバトル」が注目される。経営トップが出席する「そこ、社長に聞いてみよ!」と、技術者など各部門の専門家が出席する「教えて!エキスパート」が予定されており、若者のクルマづくりや自動車メーカーに対する 本音が聞けそうだ。

このほか、動力源のない「ソープボックスカー」による自動車・バイクメーカー対抗戦など、イベントは盛り沢山であり、1日では回りきれないほど計画されている。5月に豊田自工会会長が構想を示した時点には、これほど大掛かりなものになるとは想像できなかった充実ぶりだ。

ファンづくりには「継続」こそ力

今回は準備期間も短かったため、「とにかくやってみよう」と、考えながら前に進んでいる実行委員会の苦労も伝わってくる。大事なのは、このようなクルマ・バイクファンづくりの活動は継続することだ。今回のような催しは、2005年を最後に東京モーターショーの毎年開催が終わった際、休催年対策として06年にもお台場で実施されたことがあった。

しかし、さほど動員力もなかったことから業界内でも評価は芳しくなく、その年だけで終わってしまった。今回の学園祭に対しても、自工会の会員各社の間からは「温度差」が伝わってくる。開催スタイルが確立されたモーターショーと違って、新しいイベントを成功させるのは容易ではない。今回をトライアルに、各社の意見や要望をよく集約し、2年後も「お台場学園祭2014」が開かれるよう期待したい。

《池原照雄》

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