スズキは8月16日、インド子会社のマルチ・スズキ・インディアがロックアウトしていたマネサール工場の操業を再開すると発表した。同工場は7月18日に発生した暴動で、従業員の安全が確保できないため、7月21日からロックアウトしていた。
暴動でマルチ・スズキの従業員1人が死亡したほか、大きな被害を受けたことの重大性などから、当初同社では操業再開の見通しは立たないとしていた。
これまでに地元のハリヤナ州警察が事件を起こしたとされる首謀者グループを逮捕したことや、暴動に関与した約500人を解雇したことから、従業員の安全が確保できるレベルに達したと判断、操業再開を決めた。
暴動では、建物自体に被害が及んだのに加え、従業員のショックも大きく、スズキは操業再開には時間が必要との見方を示していた。しかし、事件を受けてインドへの工場進出を再考する動きや、進出リスクの高さがクローズアップされていることに、州政府などが懸念を示し、早期の操業再開を要請していた。
州警察は同工場へ警官500人規模を配備するなど、セキュリティを強化することから、マルチスズキも操業再開を決めた。警察の捜査とマルチスズキの調査は引き続き行われる。
スズキでは、マルチスズキの労使関係が円滑に進むよう、今後も支援をしていくとしている。