三菱自動車が8月末より日本で発売を開始する『ミラージュ』の特徴のひとつに、低価格がある。これを実現するために、デザイン面においてもコストを削減する努力がなされた。
同社デザイン本部デザイン部エキスパート(デザイン担当)の中神秀泰さんは、「このクルマのコストは非常に厳しいので、そこは費用対効果を考えながらパーツ等をデザインしました」という。「部品をこれくらいの大きさにしたら原価はいくらか、また、そのときの見栄えはどうかなど、関係者が集まってクレイモデルを見ながら議論を重ねました」。
特にヘッドライトは大きさで値段がかなり変わるので大変だったと話す。「小さくしてしまうと、非常につまらないものになるので、ある程度の大きさは欲しいのです。そこで、物流にまで踏み込みました」。具体的には、「ランプメーカーから納入してもらうパレットに、ヘッドランプがいくつ入るかがポイントなのです。このパレットに1個多く入るか入らないかで物流費が変わってきます。そこで、1個余計に載せられるようにするかわりに、この大きさは実現しようと、数ミリの世界で議論しデザインしました」とする。
中神さんは、「ユーザーにとって、見栄えがちゃんと確保されるのはどこなのかというせめぎあいで、これが一番苦労しました」と語った。