コスモ石油は、6月28日に千葉製油所で発生したアスファルト漏洩事故での原因調査の経過と今後の方針を公表した。
これまでの調査によると、6月14日からタンク内で固化していたアスファルトの昇温作業を行っていたところ、6月28日7時18分頃、タンクの上部(屋根板と側板の溶接部)が開口し、アスファルトが漏洩した。漏洩したアスファルトの多くは、アスファルトタンク敷地内にとどまったが、排水溝を通じて一部が海上へ流出した。
事故直前にタンク上部からの水蒸気の発現が目撃されていたため、タンク内に水分が混入していたことを想定、タンクのアスファルトに水を加え、加温する実験を行ったところ、水の沸騰に伴いアスファルトが噴き上がることを確認した。
タンクの残留アスファルト、飛散したアスファルトを分析した結果、熱による変質、酸化は確認されなかったことから、水蒸気に関連してタンク上部が開口したと推定され、内容物が爆発や燃焼した可能性は極めて低いとしている。
今後、漏洩事故発生時からアスファルトの海上漏洩までを検討範囲として推定の実験やシミュレーションを行うとともに、事故原因の究明と再発防止策を引き続き検討する。
具体的には、事故発生前後のタンクの状況確認と検査、タンクに水分が混入し、タンク上部の開口に至った経緯と原因の調査、アスファルトの一部が海上へ流出した経緯と原因の調査と、これらの再発防止策を策定する。