多くの人はフランス車に対して、ゆったりした乗り心地のつまらないクルマ…というイメージを持っている。フランスという国の持つ、いやパリのイメージがクルマのイメージにリンクしてしまっているのだろう。じつはこのイメージはまったくの間違い。フランス車は昔からスポーティでしっかりしたフィーリングを持っている。今回試乗したシトロン『DS5』はそのスポーティな性能をしっかりと持たされたクルマだ。搭載されるエンジンは1.6リットルのターボで低速からドッカリとしたトルクを持っている。アクセルペダルを踏み込むと、ボディをグイグイと引っ張る。回転ではなくトルクで引っ張っている印象が強く、力感にあふれている。現在のことろ、こうした小排気量ターボの性能は、国産車が欧州車に追いついていないと感じる。高速道路を巡航していると、じつにフラットで乗り心地がよく、ゆったりとして静かなドライブを楽しめる。しかし、これがワインディングにクルマを持っていくと性格は一変。しっかりとしたスタビリティを持ちつつもヒラリヒラリとした軽快感を備えたハンドリングを示してくれる。エクステリアにしてもインテリアにしても、これでもか!というくらいにデザインされまくっているクルマでありながら、クルマの本質の走るという部分にも手抜きがない。普通はどっちかが置き去りになるもので、なかなかこうしたクルマに仕上がるのは珍しいといえる。ただし4ドアモデルであるということを考えると、パッケージングはかなりタイト。フロントシートのタイトさは包まれ感があってそれが安心を生むが、リヤシートは少々窮屈に感じてしまう。■5つ星評価パッケージング:★★★インテリア/居住性:★★パワーソース:★★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★諸星陽一|モータージャーナリスト自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍。趣味は料理。
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