トヨタ自動車の欧州におけるモータースポーツ部門で、ドイツに本拠を置くTMG。そのTMGがトヨタのサブブランドとして、高性能車を市販する可能性が出てきた。
これは20日、オーストラリアの自動車メディア、『CAR ADVICE』が報じたもの。同メディアのインタビューに応じたTMGの木下美明社長は、「F1から撤退して以来、TMGは様々な決断をした。そのひとつが、メルセデスベンツのAMGのような会社を目指すことだ」と話したというのだ。
AMGといえば、メルセデスベンツの高性能車開発部門として、確固たる地位を築いている。TMGも各種モータースポーツ参戦から得た豊富なノウハウを、トヨタ車のチューニングに反映。それを市販車として、顧客に届けようという発想だろう。
ここで気になるのは、TMGがどんなトヨタ車をベースに、高性能車の発売を目指すのかという点。TMGは3月末、排気量1.6リットルの直噴ガソリンターボエンジンを開発していると発表。このエンジンはモータースポーツ向けに専用設計されたGRE(グローバル・レース・エンジン)と呼ばれるユニットだ。
TMGはこのエンジンを、欧州仕様の『ヤリス』(日本名:『ヴィッツ』)に搭載し、ラリー参戦に向けてテスト中。このプロジェクトは市販車用エンジンではないが、TMGが目指すひとつの方向性として注目できる。