プラチナ価格、供給不安で上昇傾向…田中貴金属工業まとめ

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販売量と買取量指数の推移とプラチナ価格
  • 販売量と買取量指数の推移とプラチナ価格

田中貴金属工業は、2012年1月から3月までのプラチナ地金の販売量と買取量をまとめた。

プラチナの2012年1月から3月までの国内平均価格は4215円/gで、前年同期の平均価格4843円/gを600円程度下回った。

2011年、東日本大震災の影響で一時的に値を下げながらも、インド・東南アジアなどのアジア圏での好調な自動車需要に支えられ高値で推移してきたプラチナ価格は、9月以降、欧米の景況不安による、自動車販売の鈍化やタイ洪水による日系自動車メーカーを含む工業用需要の先行き不安から値を下げ、12月には2009年7月以来2年ぶりに3700円/gをつけた。

今年に入り、南アフリカの電力会社の電力不足による鉱山会社の供給不安や、昨年から続く金価格を下回るプラチナ価格の値ごろ感から徐々に価格を押し上げ、4000円/gまで回復。2月には、南アフリカ鉱山会社のストライキが深刻化したことによりさらに価格を上げ、昨年9月以来5か月ぶりに4500円/g台まで回復した。

3月上旬には今年初めてプラチナ価格が金価格を上回り、月平均価格も4503円/gまで上昇したが、日系自動車メーカーなどタイ洪水の影響による工業用需要の先行き不安がいまだ残っていることに加え、好調だった中国での自動車販売が鈍化したことなど、実需の後押しが少ないことで、再び金価格を下回っている。

プラチナ地金の売買状況は、前年同期と比較して販売量は39%増加、買取量は10.1%減少となっている。国内平均価格が前年同期に比べ下がっていることに加え、プラチナ価格が金価格を下回っている値ごろ感から、国内の投資家の中に、プラチナ投資に対する意欲が高まり、販売が活発になったことが伺える。

プラチナ投資が活発になる中、今後は欧米、日本など先進国の自動車販売の回復情況や、減速懸念のある中国の景気動向などの需要動向に、注目が集まると予想されるとしている。

《纐纈敏也@DAYS》

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