三菱重工、日立、三菱商事がスペインのスマートコミュニティ実証事業に参画

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三菱重工業、日立製作所、三菱商事の3社は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が行う「スペインにおけるスマートコミュニティ実証事業」の委託先に選定された。

今回の選定は、3社が昨年3月から10月末まで実施した事前調査の結果に基づいて行われた。実証事業は、スペイン南部のアンダルシア州マラガ市で推進される「スマートコミュニティ・マラガプロジェクト」と連携して行うもので、CO2排出量を大幅削減する次世代交通インフラを構築する。2016年3月末まで約50億円を投じて実証する。

実証事業は、日本の高い再生可能エネルギーや省エネルギー技術、スマートコミュニティ関連技術を国際展開し、日本の新たな成長産業の育成につなげることを目指す。電力の自由化や再生可能エネルギーの導入で先行するスペインに、日本企業の先進技術を活用した次世代交通インフラを構築して導入効果を実証する。

スペインでは、国全体のエネルギー消費量の約40%を交通分野が占めており、化石燃料によるものが中心。CO2とエネルギー消費量の削減対策として2014年までに電気自動車(EV)の総車両登録台数を25万台に引き上げる目標を掲げている。

今回の実証事業は、大量のEV導入に向けて、電気自動車の充電インフラを構築する。具体的には、電気自動車の普及に必要なEV急速充電器や電気自動車管理センターなどのEVインフラの構築と電力再販事業の運営について実証する。

また、給電の安定化に欠かせない電力マネジメントシステムの実証や、EVインフラと電力システムの連携を可能にするICT(情報通信技術)プラットフォームの実証、さらに、EV管理センターに蓄積されたデータに基づいた新たな総合サービスシステムの実証などを行う。

実証事での各社の役割は、ITS分野に明るい三菱重が、EV管理センター、EV約200台、の車載器、EV用急速充電器などを提供し、EV管理センターとEVンフラに関する実証、再生可能エネルギー供給量の変化に応じた電力マネジメントシステムの実証などを担当する。

情報・通信システムや電力マネジメントシステムに実績を持つ日立は、ICTプラットフォーム、EV用急速充電器、電力マネジメントシステムに連動するデマンドサイドマネジメントを提供する。

三菱商事は、ソリューションの事業化検証を行うとともに、事業要素、サービスのパッケージングとグローバル展開を検討する。

実証事業では、NEDOとスペイン政府・産業技術開発センター(CTI)が共同支援を行う「ジャパン・スペイン・イノベーション・プログラム」が中心となってスペインの電力最大手であるエンデサ社、通信最大手であるテレフォニカ、ICTプロバイダーであるサディエルなどのスペイン企業もパートナーとして参画する予定。

三菱重工業、日立、三菱商事は、実証事業への参画により、省エネ・低炭素技術を活用した新たなビジネスモデルを創出するとともに、スマートシティ事業モデルの国際標準化を推進する。

《レスポンス編集部》

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