メルセデスベンツの新型『Eクラス』には、日本初となる24GHz帯のレーダーを備えた「レーダーセーフティパッケージ」が一部モデルに標準設定されているが、装着車を実際に運転することができた。もちろんご自慢の予防安全システムも試している。
クローズされたコースで実際に試すことができたのは、前車追従レーダークルーズコントロールである「ディストロニック・プラス」、24GHzレーダーの特性をフルに活かした「アクティブブラインドスポットアシスト」、そして77GHzレーダーの特性を活かした「PRE-SAFEブレーキ」の3種類。
「ディストロニック・プラス」は2種類のレーダーをフルに使う。通常走行時(車間距離60-200m)には77GHz帯のミリ波レーダーを用いているが、このレーダーは他メーカーのクルマでも装備されているのでシステム的にも珍しいものではない。Eクラスが他と違うのは、国産車がレーザーやカメラで行っている車間60m以下の近距離検知を24GHz帯のレーダーで行っているということだ。
「レーザーやカメラの場合は天候の影響(雨や雪)を受けやすく、夜間もターゲットを外すことが多いのですが、レーダーであれば環境に左右されません」とメルセデスベンツのスタッフは説明する。
渋滞を想定した低速追従も完全にクリア。前走車が停止すと、自然な車間をキープしてこちらのクルマも停止する。再発進の場合はディストロニック・プラス用のレバーを軽く引くか、アクセルを踏むだけでシステムが再起動する。
他社の同様システムの場合、急カーブを進行している際に前走車を見失い、システムが止まってしまうこともあるが、ディストロニック・プラスの場合はシステム停止までの時間がある程度確保されており、前走車の姿を再びキャッチすると、そのまま作動状態が継続されるようになっている。
システム使用時のエンジン動作やブレーキフィーリングも滑らかで、高級車にふさわしい挙動をみせてくれる。