BMWは欧州でテストが継続されている「euro FOT」に基づいた実験車両の展示をITS世界会議で行った。車両には前後左右にカメラを装着し、取得した画像情報からドライバーを支援し、事故の発生を未然に防止する。
euro FOTとは、欧州全域で1000台もの車両でテストが実施されているもので、事故の発生を未然に防止して危険からドライバーを支援する、8つの機能を重視して取り組んでいる。すでにフランスやドイツ、イタリア、スウェーデン間を結ぶ欧州の道路でテストが行われている。参加する自動車メーカーはフォード、BMW、ダイムラー、フィアット、ボルボ、フォルクスワーゲン、アウディなど9社。これに部品メーカー、研究機関など計28社のパートナーが組織されている。
出展されていた車両はBMW『5シリーズ』が2台と、BMWの2輪車が1台。いずれもeuro FOTに基づいて試作されており、搭載するシステムによって様々な制御についてデモが行われた。そのうち1台の5シリーズには、インターネットにつながる端末が装備され、フロントウィンドウ、ドアミラー、フロントサイドビュー、運転席などに設置したカメラで車両の動きを管理。搭載されたカーナビゲーションと連動して、ブラインドコーナーなどでの危険を検出する動作について説明が行われた。
その他、euro FOTでは、速度制御や前方衝突警告、速度自動追従、車線の逸脱の警告といったシステムにも取り組んでいる。普及を前提としたより現実的なITSの提案が行われていた。