原発シンポのやらせ 経産省職員処分、幹部職員に訓辞

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管理職職員約400人を前に再認識を迫る枝野経産相(4日・経産省)
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経済産業省は4日、原子力安全・保安院や資源エネルギー庁が、電力会社に対して働きかけるいわゆる「やらせ」を行い、原発シンポジウムなどで世論形成を行っていたとされる問題で、関係者の処分を行うことを発表した。

やらせ行為に直接関与した管理職職員2人に対して「戒告」処分、係長級職員1人に「訓告」処分が下った。

戒告となった2人は、現在は経済協力開発機構の原子力機関次長である吉村宇一郎氏と、北海道経済産業局資源エネルギー環境部長の鈴木洋一郎氏。

吉村氏は、当時の原子力安全・保安院の広報課長。07年8月26日に開催された浜岡原子力発電所のプルサーマル・シンポジウムで、部下職員がシンポジウムの公正性と透明性を損なう不適切な行為を防止できなかった責任を問われた。1種技官で82年に経済産業省に入省。

鈴木氏は当時、資源エネルギー庁原子力・核燃料サイクル産業課原子力発電立地対策・広報室長でありながら、08年8月31日開催の泊原子力発電所のプルサーマル・シンポジウムで、その公正性と透明性を損なう不適切な行為を行った。1種技官で91年入省。

また、元原子力安全・保安院の係長級職員も、07年8月26日開催の浜岡原発プルサーマル・シンポジウムで、公平性と透明性を損なう不適切な行為を行ったとして「訓告」処分となった。

さらに、以下の3人も監督責任を問われ「訓告」処分となった。
中小企業庁 鈴木正徳長官(当時の原子力安全・保安院次長)
経済産業省 西山英彦大臣官房付(当時の電力・ガス事業部長)
資源エネルギー庁 森本英雄原子力立地・核燃料サイクル課長(当時も現職)

同日午前、枝野幸男経産相は課室長と企画官以上の全管理職職員約400人を会議室に集め、異例の訓辞を行った。「総理からも、言語道断であり、徹底して改善、改革を進めるようにというご指示を受けている」と叱責。

「政府は何のためにあるのか、経済産業省は何のためにあるのか、みなさんのそれぞれの仕事は誰のためにしているのか、そのことを常に意識しながら職務に当たっていただきたい」と、再認識を迫った。

《中島みなみ》

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