日産自動車の西川廣人副社長は7日、横浜市のグローバル本社で日本事業に関してメディア各社の取材に応じ、国内生産100万台を維持するため、日本市場向けの車両台数を現状より3割程度増やす方針を示した。
日産の国内生産は2010年度実績で107万台であり、このうち46万台が日本向け(他社へのOEM供給含む)、61万台が輸出だった。西川副社長は「中長期に日本向けを60万台規模に増やし、輸出についても40万〜60万台程度を確保する」と述べた。
60万台への拡大は日産車の国内販売シェアを拡張させるとともに、他社向けOEMの増強などで実現したい意向。三菱自動車と準備している軽自動車の共同生産分は三菱の工場で生産するため、このカウントからは除外している。
日産は国内生産100万台の維持を経営公約としているが、円高の進行により国内での生産環境は一段と悪化している。西川副社長は「輸出向けについては円高でも収益が確保できるように努めていく。日本が輸出拠点として柔軟な生産体制をもつことは、当社のグローバル事業にも重要」と指摘した。