気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2011年6月21日付
●IAEA、原発抜き打ち検査、天野事務局長安全強化5項目提案(読売・1面)
●スパコン世界一奪還、日本の「京」中国抜く(読売・1面)
●顔:「間違いだらけのクルマ選び」を復刊する自動車評論家、徳大寺有恒さん(読売・2面)
●北にベンツ不正輸出、容疑の会社役員逮捕(読売・37面)
●自動車業界やっぱり木金休み返上、部品供給回復で一部工場稼働(朝日・8面)
●パナソニック減益に、震災で売上高1600億円減、12年3月期(朝日・11面)
●日産・三菱自合弁戦略、13年度に「軽」開発・発売、新会社名「NMKV」シェア20%目標(毎日・7面)
●景気「上向きの動き」6月報告、4か月ぶり上方修正(東京・7面)
●事故収束前の再稼働、場当たり政府に不信、原発安全宣言なぜ急ぐ(東京・27面)
●自動車大手、期間従業員の採用再開、トヨタ2000人、増産に備え(日経・1面)
●国際調整機関、ドメイン名を自由化(日経・9面)
●パリ航空ショー開幕、新型機に上昇気流(日経・11面)
●ハイブリッド車用インバーター、東芝、フォードに供給(日経・12面)
ひとくちコメント
政府が公表した6月の月例経済報告で、景気の基調判断を「東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるなかで、このところ上向きの動きがみられる」とし、4か月ぶりに上方修正した。
上方修正は震災後初めてで、きょうの各紙も景気「4カ月ぶり上方修正」(読売)、「上向きの動き」(日経)などと、大きく取り上げている。自動車産業を中心にサプライチェーンの復旧が予想以上に進展しているのを受け、供給制約が和らぎ、輸出増加も期待できるというのが理由だそうだ。
実施前から足並みが乱れ始めた夏場の節電対策でも、日本自動車工業会の志賀俊之会長が「節電と両立させながら自動車生産が復活することは、日本経済にも貢献する」と述べ、「休日出勤」を事実上容認した。
このため、各紙は「自動車業界やっぱり木金休み返上」(朝日)、「揺れる『木・金』一斉休業」(毎日)「自工会、木金の休日稼働容認、スズキ、マツダも調整」(産経)、「夏の『休日出勤』車業界踏み出す」(東京)などと、“朝令暮改”ともとれる大ブレの節電対策にメディアも振り回されたようで、記事も皮肉っぽく取り上げている。
一方で、日経は1面トップで「自動車大手各社が工場で働く期間従業員の採用を相次ぎ再開する」と報じた。トヨタ自動車はほぼ2年ぶりに約2000人を新規雇用するほか、日産自動車、ホンダなども大幅な増員を計画しているという。
上方修正した政府の月例報告を後押しするようなポジティブな記事だが、足元の景気動向を見ると消費者心理が本当に改善されているのかどうかはまだまだ疑問である。