昨年9月に東京都国立市内で発生した重傷ひき逃げ事件について、警視庁は10日、千葉県千葉市内に在住する40歳の男をひき逃げ容疑で逮捕するともに、この男の身代わりとなって出頭した東京都大田区内に在住する53歳の男を犯人隠避容疑で逮捕している。
警視庁・交通捜査課によると、問題の事故は2010年9月26日午後10時ごろ発生している。国立市東1丁目付近の都道で、徒歩で横断歩道を渡っていた21歳の女性が進行してきたトラックにはねられ、女性は頭部骨折などの重傷を負った。
トラックはそのまま逃走しており、警察は重傷ひき逃げ事件として捜査を開始。現場近くに設置されていた防犯カメラの映像から「改造されたトラックが容疑に関与した」とみて、この車両を特定して押収。車両の検証を進めたところ、女性の着衣と同じ繊維片の付着を確認した。
運転していた人物はわからないままだったが、11月になって53歳の男が警察へ出頭。「事故発生の時間帯に現場付近を走行していた。自分が事故を起こしたかもしれない」などと供述していた。
しかし、男の説明には曖昧な点があったことから、これを不審に思った捜査員が追及。その結果として「20万円で身代わり出頭を請け負った」と自供し、千葉県内に在住する40歳の男から依頼を受けていたことが判明した。この男が契約していた携帯電話と基地局のやり取りについて調べたところ、位置情報から事故時に現場付近にいたことが判明。これを証拠として10日までに自動車運転過失傷害や道路交通法違反容疑で逮捕。出頭してきた男は犯人隠避容疑で逮捕した。
身代わりを依頼した男は無免許。調べに対して男は「無免許の自分が運転するわけない」として容疑を否認しているようだ。