東芝は、風力発電事業に参入するため、韓国の風力発電機器メーカーのユニスンと提携することで合意した。ユニスンの転換社債400億ウォン(約30億円)分を引受けて資本提携し、風力発電機器を共同開発する。
環境意識の高まりや福島第一原子力発電所の事故で、水力発電や太陽光発電、地熱などの再生可能エネルギーの需要が高まっている。風力発電は、欧米で普及が急速に進んでおり、今後、中国やインドなどの新興国での需要が高まる見通し。
全世界での風力発電の設置容量は2008年の120GWから2020年には477GWWと、約4倍に増える予測もある。東芝は再生可能エネルギー事業を拡大するため、風力発電システム事業に参入する。
ユニスンは、風力発電機器メーカーで、ギアがなく、耐久性の高い永久磁石同期型発電機を用いた「ダイレクトドライブ方式」の風車技術や高効率な羽根を持った風車に関する技術を持つ。コスト競争力の高い製品を製造しており、合計1000MW分の製造能力を持っていることなどから、東芝は提携を決めた。
東芝はユニスンと販売面でも提携し、東芝の拠点を通じ、ユニスンの製品を販売する。ユニスンと共同で東芝が持つ蒸気タービン向けの流体力学などの設計技術を風車の設計技術に応用、より効率の高い風車を共同開発する。
東芝は、成長事業として重視していた原子力発電事業が原発事故で世界的に脱・原発の動きが加速するなど、先行きが見通せないことから、世界各地で風力発電や水力発電、太陽光などの再生可能エネルギー事業を積極的に展開していく構え。