新日鉄マテリアルズは、口径4インチ以下のSiC単結晶ウェハの生産能力を現状の約3倍に増強すると発表した。
SiC単結晶ウェハは、半導体デバイスの製造に用いられているシリコンウェハと比べ、絶縁破壊電界強度や熱伝導性等の半導体特性に優れる。ダイオード、トランジスタといった半導体デバイスに適用した場合、耐電圧が向上する。また、電力変換損失もシリコンウェハに比べ、数10分の1から10分の1に抑えられることから、太陽光発電用インバーターでの電力エネルギーの高効率運用化や、産業用電気機器での省エネルギー化の推進に貢献する。
省エネ機運の高まりから需要の増大が見込み、口径4インチ以下のSiC単結晶ウェハの生産能力を、2012年3月末までに月産1000枚にまで引き上げる。
また、親会社でトップレベルのSiCウェハ技術を持つ新日本製鐵と米国のクリーが相互ライセンス契約を締結したこともあり、生産能力増強を加速し、顧客ニーズに対応した高品質な製品を安定供給していく構え。