東京ビッグサイトで開催されている「第71回東京インターナショナル・ギフト・ショー春2011」(1~4日)で、鏡のようなボディ表面のスバル『R1』が展示されている。場所は伝統工芸を紹介するコーナーにある燕三条のブースだ。
「これはステンレスではなく、R1に使われている素材を燕の金属研磨のスペシャリスト集団・磨き屋シンジケートが磨きあげたものなんです」と関係者。
あるとき、「車を1台磨いてください」と依頼があり、それを実行したわけだが、最初は断ったそうだ。というのも、磨いても光りにくい素材だったからだ。しかし、「ダメでもいいからチャレンジを」との言葉に、職人が誇りをかけて挑戦した。
ボディにへこみを出さずに磨くためにはどうしたらいいか、試行錯誤を重ねながら作業を進めた。パーツを分解しながら塗装を剥離。ドア、フェンダー、ボンネットは大皿磨きの要領で研磨を実行。大きいパーツは3人で支えながら磨いたという。そして、1週間かかってピカピカのR1が完成した。
「これぐらいにきれいに磨くと、さびにくくなるんです」と関係者。このR1は燕の職人たちに大きな自信を与え、いろいろなことに挑戦する職人が増えているとのこと。最近は技術的にも難しいといわれるチタンを磨く人も出てきたそうだ。