三菱ふそうトラック・バスは13日、中型トラック『ファイター』の原動機に不具合があるとして、国土交通省にリコール(回収・無償修理)を届け出た。対象となるのは、1999年2月26日~2005年8月4日に製作された3万1924台。
冷却水不足による警告灯の点灯や、水温計の上昇に気づかずオーバーヒートの状態で走行を続けると、樹脂製のシリンダーカバーが変形してエンジンオイル漏れが発生し、車両火災に至るおそれがある。
全車両、オーバーヒートセンサー付きのサーモスタットケースに交換し、オーバーヒート時の燃料噴射量を制限する。
不具合発生件数は14件で、火災事故が14件起きている。このうち2件はドライバーが早期に消火を行ったため部分焼損にとどまったが、残る12件は全損事故となった。人的被害はない。
最初に火災事故があったのは2001年7月で、その後しばらく事故はなかったが、2006年に4件の火災事故が起きたため、翌2007年から国土交通省が技術検証を行っていた。
オーバーヒートにもかかわらず走り続けることで起きる火災の責任がメーカーに及ぶかなどが議論となり、検証に時間を要したが、オーバーヒート状態で走行時に、火災が発生しやすい構造にあることから、最終的に三菱ふそうが対策を行う必要があると判断し、今回のリコールに至った。