【東京オートサロン11】「クルマファンの集うコミュニティを作りたい」…TOYOTA/GAZOO Racing イベント担当

自動車 ビジネス 国内マーケット
プロデュース局イベント室 石塚雅浩 氏
  • プロデュース局イベント室 石塚雅浩 氏
  • TOYOTA/GAZOO Racing 特設サイト
  • プロデュース局イベント室 石塚雅浩 氏
  • 2010年開催のTOYOTA/GAZOO Racingブースの模様
  • 2010年開催のTOYOTA/GAZOO Racingブースの模様
  • 2010年開催のTOYOTA/GAZOO Racingブースの模様
  • TOYOTA/GAZOO Racing 特設サイト
  • TOYOTA/GAZOO Racing 特設サイト

毎年1月に開催されるカスタムカーの祭典「東京オートサロン」。自動車メーカーの出展も定着したが、その中でもやはり国内第一のメーカーであるトヨタ自動車は注目の的だ。昨年は、「TOYOTA/GAZOO Racingブース」として、LFAのようなスーパースポーツからハイブリッドカーや『FT-86』のカスタムコンセプトまで、様々な車両がブースを彩り各種イベントも開催されたが、今回はまた昨年とは違ったイベントも展開していくという。

◆一方的な情報提供だけではなくコミュニティを作り上げていく

TOYOTA/GAZOO Racingブースのイベント関連を取り仕切るトヨタマーケティングジャパン プロデュース局 石塚雅浩氏は「メーカーからの一方的な発信ではなく、クルマファンの集うコミュニティを作り上げることを狙いとしています。GRMNやG’sといった商品群に加えて、イベントを通じて車の楽しさに対するトヨタの世界観を知っていただきたいですね」と構想を語る。

前回開催の東京オートサロンでは、3日間で23万7954人(1日平均7万9000人)の来場者を集め、その集客力を示すイベントに成長しているが、その中でも存在感が際だっていたのがTOYOTA/GAZOO Racingブースであった。外装や内装、走行性能などをカスタマイズしたスポーツコンバージョン車のブランド「G's(G Sports)」の立ち上げ発表や、コンセプトモデル10台を含め計19台をブースに展示するなど、カスタマイズの市場にトヨタも積極的に取り組んでいく意気込みを示していた。

イベントにおいても、出品した『FT-86 Gスポーツコンセプト』が、カスタムカーコンテストでコンセプトカー部門の最優秀賞を受賞、最終日には、トヨタブースに豊田章男社長が登場し、コンパニオンや参加ゲストとともに、ステージ上で来場者とのプレゼント抽選会を開くなど最後まで会場を盛り上げていた。

石塚氏は「オートサロンは、毎年楽しみにしている真のクルマファンが集まる祭典です。そこにトヨタも参加し、一緒に会場を盛り上げていくことでクルマの楽しさを幅広い人たちに感じていただきたいと思います」と、トヨタによるオートサロン出展の狙いを語る。

◆ソーシャルメディアが来場のきっかけになれば

今回トヨタブースでは、ユーザーが参加できるイベントを多数用意している。トヨタのオートサロン特設サイトでユーザーからメーカーを問わず愛車の写真を募集し、その愛車をイベントステージ等で紹介する企画や、コミュニケーションのツールとして「twitter」や「Ustream」を活用するのも、今回のクルマファンの集うコミュニティを作り上げ活性化させる狙いの一つである。

「今回のオートサロンでは、事前にユーザーから愛車の写真を募集しています(※)。イベント当日は、愛車の写真を題材にしてレーシングドライバーや専門誌の編集長が登場するトークショーなども企画しており、twitterなどから質問も受け付けることで、会場でのコミュケーションを活性化できるような内容が今回の特徴ですね」と石塚氏は語る。(※愛車の写真募集はすでに終了)

自分の投稿した愛車が、トークショーのまな板にのるかもしれないわけだ。愛車の写真は「他メーカーはもちろん、痛車もOK(車検対応車)」(石塚氏)とのこと。もちろん、より個性的なクルマの方がイベントで採用される確率は高い。

「会場に来て楽しんでいただくのももちろんですが、ソーシャルメディアを活用することで会場に来られない方にもトヨタのカスタマイズについての考え方を知っていただくことができますし、またUstreamの映像やTwitterのクチコミが会場に足を運ぼうと思う動機になれば、と思っています」(石塚氏)。

こういったソーシャルメディアを活用した一般からの投稿では、必ずしもトヨタに好意的な意見が集まるわけではないのだが、石塚氏は「投稿してもらえることでコミュニケーションが生まれ、ネガティブな意見もその理由を考え商品開発に生かせれば、すべての意見がプラスに変わると思います」と、前向きに捉える。

また今回は、会場の設営風景や舞台裏をUstreamで中継したり、初日の夜には「GAZOO Racing 東京オートサロン・ナイト」と題したイベントの中継も、GAZOO METAPOLISにて予定されているという。「社内でもいろいろな意見はありましたが、メーカーの型にはまらない施策でお客様の関心を惹いてみるのもいいのでは、ということになりました」(石塚氏)。

◆イベントをきっかけにモータースポーツの裾野を広げたい

トークショーなどのイベントはとにかく盛りだくさんだ。ステージイベントは、1時間おきに実施され、ドレスアップ&チューニングトークショーの他、GRMN/G's等の開発責任者やモータージャーナリストの竹岡圭氏が参加する「トヨタカスタマイズブランドトークショー」、モータースポーツの楽しさを伝える「みんなで始めよう!〜Let's Racing〜」など多数開催される。

「リアルとバーチャルの間で車好きのコミュニティを活性化させるというのが、今回のイベントやソーシャルメディア活用の目的です。トヨタでは、サーキット初心者を対象にしたハイブリッドチャレンジやサーキットチャレンジといった催し物を実施していますので、オートサロンをきっかけに草の根モータースポーツの裾野を広げていければいいですね」(石塚氏)。

出展車両に関しても、今回出展される軽量コンパクトなFRスポーツコンセプト「TES CONCEPT T-SPORTS」は、トヨタ社内の有志団体TES(トヨタ技術会)の会員が実車化した手作りの車だ。『トヨタスポーツ800』をEV化した「TOYOTA SPORTS EV-TWIN」も手作り感の漂うものである。

クルマ好きからは、優等生的イメージで捉えられがちなトヨタではあるが、ユーザーを置き去りにせず、こうした粘り強い取り組みによりユーザーの声がやがて製品開発に反映され、今をときめく『プリウス』のように他社を寄せ付けない圧倒的な商品の登場につながるのかもしれない。

《》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集