伊藤忠商事は17日、米国CIIIS社の持つ慣性力発電(振動発電)技術を用いて、人体の運動による振動で発電する慣性力発電ユニットを開発したと発表した。国内鞄メーカーのエース社が同ユニットを搭載したバッグを11年2月より販売開始予定。
CIIIS社の慣性力発電技術は、燃料などを必要とせず、人体の動き、輸送機器等の移動体の振動、海洋(波)の動きといったランダムな動きを利用して、クリーンなエネルギーを作り出すもので、伊藤忠商事では、2005年にCIIIS社と資本・業務提携し、同技術の商品化を進めてきた。
エース社の新商品バッグに採用された慣性力発電ユニットでは、バッグを持ち歩く際の振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、バッグに内蔵されたLEDライトを発光させることによって、夜間の視認性を向上し安全性を高めた。
同社では、この技術により、これまで捨てられていたエネルギーから電気エネルギーを生み出すことができ、電池交換不要な電気製品やセンサーなどが可能になるという。今後、生活消費関連分野などにおいて慣性力発電技術の導入を進め、日常生活やスポーツの際に生じる運動エネルギーを利用する様々な商品を積極的に展開していくとしている。