フランス・パリ郊外のクレルモンでおこなわれている自動車補修塗装の技能を競う「ベストペインターコンテスト」で、日本代表でホンダボディーサービス栃木に所属する永塚伸洋さんが優勝した。
コンテストの受賞セレモニーは世界でもっとも美しい広場とも言われるコンコルド広場に面したフランス・オートモビル・クラブで行われた。
永塚さんはリラックスを装っているように見せるが、実際はどんな心境だろう。アペリティフを音楽を聞きながら取り、前菜が終わったところで、待ち望んだコンテストの発表が始まる。まず3位から、ドイツから参加の女性、シモーネ・ボレチウスさん。今回彼女を含めて、ドイツ、フランス、オランダから3人の女性が参加していたが、見事トップ3を獲得した。
続いて2位はスロベニアのアンドレイ・シーメさん。そして最後の発表は今年のゲスト審査員であるカスタムカーデザイナー、チップ・フース氏からの発表。緊張が高まると、『第1位アメリカ…』と大会に参加してない自分の国の名をジョークでいい、緊張をほぐす。そして、『Winner… JAPAAAAN…!』。一瞬の静寂の後に、大歓声が響いた。
永塚さんは特に一番ウェイトの高いEfficient Application(広い部分の塗装)で高い評価を得た。文字通り世界一の自動車塗装技術者として永塚さんが認められた。
「アジアの遠方から来て、優勝できるなんて考えてもみなかったので、とにかく本当にうれしいです」と語る永塚さん。優勝者には、楯と副賞3000ユーロが送られる。表彰が終わると、永塚さんへたくさんの関係者が挨拶に訪れていた。合間を見て、日本で結果を待ち望んでいた奥様に電話で報告しに行く姿が印象的だった。