【東京コンクール・デレガンス】「アジアナンバーワンのクラシックカーイベントに」…開催の狙いを大会会長に聞く

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第3回目を迎える自動車コンテスト『東京コンクール・デレガンス』。欧米では定着しているコンテストという文化を、なぜ日本に導入しようと思い立ったのか。その経緯と本イベントの特徴、そして今後の狙いについて、大会会長のポール・ゴールドスミス氏にインタビューを行った。

----:そもそもなぜ日本でコンクール・デレガンスをやろうと思ったのですか。

ゴールドスミス:6〜7年ほど前、クラシックカーラリーによく出ていた頃はまだ、コンクール・デレガンスは日本では開催されていませんでした。そこで、実際に走るのも楽しいのですが、クラシックカーと高級ブランドを組み合わせたコンクール・デレガンスをやってみたいと思い立ったのです。それと、日本のクラシックカーオーナーは1台だけではなく複数保有をしていることが多く、きちんとメンテナンスをする。従って、良いコンディションのクルマを多く展示することが出来ると考え、実現できるのではないかと思ったのです。

----:日本のクラシックカーイベントは実際に走るものが多いので、コンクール・デレガンスに出るようなモデルは少ないと思えるのですが。

ゴールドスミス:コンクール・デレガンスに相応しいクルマは少ないと思います。今年の出品車のうち何台かはロードラリーイベントに出るようなクルマもあります。しかし、複数保有のオーナーはこういうコンクール用のモデルも持っていたりすることもあり、まだまだ知られていないクルマが多くあるはずです。また、素晴らしいクルマを持っていても、そういったラリーに出場したくないと思っている人もいるので、もっとコンクール・デレガンスをそういった人たちにアピールしたいと思っています。

----:今回は都心を離れ潮風公園での開催となりました。それはなぜでしょう。

ゴールドスミス:本来であれば、同じ場所、同じ時期に開催できるのが一番だと思います。そうすることで、来年のイベントに向けてクルマを仕上げてくれるかもしれませんしね。そういう考えを持ってもらえるようになればベストだと思います。初回の六本木のミッドタウンは非常に魅力的でしたが、様々な制約条件、例えば搬出入の時間の制約や場所代が高く1回で終わりになってしまいました。また、昨年は六本木ヒルズだったので展示会のような形になってしまいました。

そもそも、コンクール・デレガンスは屋外、とくに水辺や芝生の上で展示をするととても良い雰囲気になりますので、今回は、コンクール・デレガンスに相応しい雰囲気になっていると思います。その上、この潮風公園は芝生と木があり、リゾートの風情を備え海も近いのでぺブルビーチのような感じがすると思いますよ。それに、ここは東京都心からの距離も近く移動も楽ですし、ホテルなども近いので夜のパーティやVIPランチなど行うのにも利便性が高いのです。

----:こういった会場の重要なポイントはどんなことでしょう。

ゴールドスミス:出来れば広く芝生があるところが良いでしょう。ただ、東京での開催を考えるとスペースが少なかったりするので会場を探すのがチャレンジになります。例えば、ぺブルビーチはサンフランシスコから2時間くらいの距離で、アメリカなら簡単に移動できる距離だと思います。

しかし、日本では御殿場や軽井沢でイベントを開催するとしたら、東京から結構時間がかかってしまうし、さらには戻る時に渋滞がある。そうすると、せっかく行って楽しんだとしても、帰りの渋滞でうんざりしてしまい、思い出は渋滞だけになってしまうでしょう。そういうことからスペースがあれば東京で開催したいですし、東京にこだわっているのです。

----:東京コンクール・デレガンスを将来はどのように育てていきたいですか。

ゴールドスミス:アジアで一番沢山クラシックカーがあるのは日本です。そしてそのクオリティも高い。日本人はクルマの歴史などのカーカルチャーが好きでよく知っています。また、香港の人たちはそのパッションがありますが、韓国や中国の人たちは、お金は持っていても興味は薄いでしょう。

そういった中で、将来的には東京コンクール・デレガンスは全アジアのトップのイベントにしたい。そしてアジアの様々な国から出展されるようになれば凄く嬉しいです。実は今年、香港から 8人のカーコレクターがこのイベントを見学に来てくれました。クオリティを含め実際に見てもらうことでどういうイベントかを納得してもらえたので、多分来年か再来年には出品してもらえると思います。

----:来年の予定はどうなっていますか。

ゴールドスミス:来年はタイミングを含め考えています。今年エポックメイキングだったのは、メーカーが新しいモデルを3台アンベールできたことでしょう。従って、来年もそういうタイミングにうまく当てはめることが出来たらいいと考えています。ただ、今の時期は少々暑いので出来たら春か秋に開催できたらいいですね。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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