未来のEVデザイン像…“統一タクシー”を

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トランスポーテーションデザインの視点からEVの将来を見る
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オートデスク主催のイベント「Autodesk Designers Day 2010」での講演で、首都大学東京システムデザイン学部教授の山下敏男氏は、EV普及のカギとして、自動車メーカー合同で一車種のEVタクシーの製造を提案した。

その名も“統一タクシー”。タクシーのベース車両を製造するメーカーなどが一丸となって、ひとつのタクシー向けEVベース車をつくろうというのだ。

「『プリウス』などのハイブリッド車が市民権を得るのに10年かかった。同じようにEVも10年かかってはいけない。その半分の5年ほどで普及していかなければならないだろう。そのために、タクシーのベース車としてEVを先んじて投入していきたい」

「トヨタや日産など、各自動車会社がひとつにまとまって、タクシー用EVをつくる。実はタクシー用車両というのは、各社ともお金をかけられなくて、安くつくらなければならないという現状がある。そこで、各社合同で統一したタクシー用EVベース車を一車種、いいものをつくればいいのではと考える」

その狙いはユーザーのEVに対する認知向上も含まれているという。

「EVタクシーをきっちりつくって街に走らせ、統一タクシーをわれわれみんなで体験し、EVを広く浸透させたい」

日産自動車にて『フェアレディZ』(Z32)のデザインや、北米向け大型ピックアップトラック『タイタン』のチーフデザイナーを歴任した山下氏が、統一タクシーに込めた思いは熱い。

「統一タクシーによってEVの定着は加速すると思う。今後は大きな企業マインドに期待し、統一タクシーの実現に向け、さらに提案していきたい。ひとりよがりではなく、新しい可能性を持ったEVをつくっていきたい」

《レスポンス編集部》

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