チッソは15日、リチウムイオン電池用セパレータを開発したと発表した。7月からリチウムイオン電池メーカーへの営業活動を本格化させる。
今回開発したセパレータは、ポリオレフィン系樹脂製で単層・厚みが15~40μm、空孔率が40%以上と、強度と柔軟性のバランスが良いのが特徴。これによって電池の生産性、安全性向上に貢献する。積層型のリチウムイオン電池への展開を見込んでいる。
チッソでは2011年3月にパイロット設備を立ち上げ、試験販売を開始。2012年には本格的な販売に向け、生産設備を整備する計画だ。
一方、同社は米国のポーラス・パワー・テクノロジーズと高性能なリチウムイオン電池用セパレータを共同開発し、自動車向けに展開する。共同開発では、セパレータに過酷な過充電や過熱が起こった状態でも、異常な電圧や温度の変動を抑制できる特性を目指している。これにより、使用環境が過酷な電気自動車や定置型用途のリチウムイオン電池向けの供給を目指す。