宇部興産は、自動車の内装材向けに需要が増加しているため、欧州子会社のウベケミカルヨーロッパにポリカーボネートジオール(PCD)の生産能力を増強する。
年間3000tクラスの製造設備を新設する。稼動開始は2012年1月の予定。
PCDは、主にポリウレタン主原料のポリオール成分として使用されている。ポリウレタンと比較して耐熱性・耐加水分解性・耐油性・耐候性などで優れており、高機能・耐久性に優れた材料として自動車のシート、ダッシュボード、ドア内装などの内装材、外装用塗料などに使用されている。
自動車向けの需要増加や用途の拡大、さらにPCDは溶剤を含まない環境対応型水性塗料の原料としてのニーズも高まっており、今後も継続的な需要拡大が見込まれる。宇部興産はスペインでのPCD生産能力を増強することで、需要増加に備える。設備増強後の生産能力は日本が年間2000t、スペインが年間6000tとなり、世界最大のPCDメーカーとなる。