フォルクスワーゲンは21日、ドイツで大幅なマイナーチェンジを受けた『フェートン』の販売を開始した。現地価格は、6万6500ユーロ(約750万円)からと公表されている。
フェートンは2002年3月、ジュネーブモーターショーでデビュー。フォルクスワーゲンブランドのフラッグシップサルーンに位置づけられる。
2003年9月には、ロングホイールベース仕様が登場。しかし、世界的に販売は成功したとはいえず、米国では2006年、不振により販売が中止された。
フォルクスワーゲンは今年4月、北京モーターショーにて改良版のフェートンを披露。フロントマスクにはフォルクスワーゲンの最新デザインのDNAが投影され、大胆にイメージチェンジ。バンパー、グリル、ボンネットなど、フロントセクションは、ほぼすべてのパーツが一新された。ワイド感や力強さが強調されたフロントマスクだ。
エンジンはガソリン3、ディーゼル1の合計4ユニット。駆動方式は、すべてフルタイム4WDの「4モーション」だ。ガソリンエンジンは、3.6リットルV6「FSI」(280ps)、4.2リットルV8(335ps)、6.0リットルW12(450ps)。ディーゼルは3.0リットルV6ターボ「TDI」(240ps)で、欧州複合モード燃費11.76km/リットル、CO2排出量224g/kmと環境性能は良好である。
ボディサイズは、標準ボディが全長5060mm、ロングボディが全長5180mm。後席はベンチシートが標準で、2名掛けのセパレートはオプションだ。各部の仕上げには、レザー、アルカンターラ、ウッドなど、最上の素材が使われた。後席用のエンターテイメントシステムなど、オプションは豊富に用意されている。
安全面では、世界初のフロントカメラシステムをオプション設定。前方の標識をカメラが読み取り、速度制限を超えると、ドライバーに警告を発する。追い越し禁止など、さまざまな標識を読み取ることが可能だ。
新フェートンはドイツ・ドレスデン工場で生産され、現地価格は6万6500ユーロ(約750万円)から。納車は6月にスタートする。地元ドイツよりはむしろ、中国がメイン市場といっていいだろう。