ゼネラルモーターズ(GM)とハワイの大手ガスエネルギー供給会社ザ・ガス・カンパニー(TGC)は11日、燃料電池自動車向けに水素をオアフ島で供給する共同パイロットプロジェクトを発表した。
TGCは現在、合成天然ガスと水素を製造し、水素含有量5%超の都市ガス流を供給している。今回TGIが所有する1000マイルの都市ガスパイプラインシステムの主要地点で、独自の分離プロセスを使って水素を取り出し、各地の燃料電池車用燃料ステーションに供給する。
ハワイは、再生可能なエネルギー資源、省エネ、エネルギー効率などを組み合わせて、石油使用量の70%削減を打ち出している。輸送燃料として水素を利用することがこの目標達成に貢献する可能性がある。
TGCのジェフリー・キッセル社長兼CEOは「当社はここ2 - 3年、12%もの水素を再生可能資源から製造・供給しており、今後も需要の高まりに合わせてもっと大量の水素を供給できる。既存のインフラを使い燃料電池車用の水素燃料を供給することで、TGCは、ハワイのクリーンエネルギーな未来を支えるべく重要な役割を一層拡大する」と話している。
いっぽうGMは過去15年にわたり燃料電池事業に15億ドルを投入、2015年の商業化を目指し、市販向け燃料電池の開発をおこなっている。GM・グローバル・フューエルセル・アクティビティーズ担当のチャールズ・フリーズ専務は「このパイロット企画は、水素輸送インフラの実現に不可欠な、水素の供給源の問題と、燃料電池自動車のための現実的な供給方法の問題の両方に対処するものである。このハワイのインフラは最終的に何万台もの燃料電池自動車に対応できるようになるだろう」と語る。