横浜ゴムは、タイの天然ゴム加工工場が完成し、5月6日に工場が所在するタイ南部のスラタニ県で開所式を行った。
開所式にはスラタニ県知事、政府関係者、出資企業のテックビーハン、ボンバンディットグループ関係者など90人が出席した。
横浜ゴムは天然ゴムをタイ、インドネシアから調達しており、テックビーハンはタイでの大手購入先の1社。しかし現在、横浜ゴムへの供給を中心に操業するテックビーハンの天然ゴム加工工場は、治安が不安定なマレーシアとの国境近くにあるため、安定供給面で懸念があった。今回完成した天然ゴム加工工場のあるスラタニ県は治安が安定しており、供給面での不安が解消する。
川上欽也取締役兼執行役員は「非石油系資源である天然ゴムの需要は年々増加しており、同時にタイヤの高性能化に伴って材料精度の向上が進んでいる。自社系列の天然ゴム加工工場を運営することによって、バラツキの少ない高精度な天然ゴム加工方法の蓄積、天然ゴムの物性コントロールと品質管理能力、天然ゴムの使用比率を高めた高性能タイヤ開発など、様々なメリットの派生を期待している」と挨拶した。
新工場は横浜ゴム90%、テックビーハンの100%子会社が5%、ボンバンディットグループの投資会社が5%出資する合弁会社ワイ・ティー・ラバーが新設した。投資額は10億円で2009年1月から工事を進めてきた。月産生産能力3000tで操業を開始する。