英国ジャガーカーズが2009年5月に開発したジャガー『XF』のポリスカー仕様。英国警察によるテストが終了し、その第1号車が27日、パトロールの最前線に配備された。
このポリスカー仕様は、『XF』のクリーンディーゼル搭載グレード、「ディーゼルS」がベース。3.0リットルV型6気筒ツインターボディーゼルは、従来の2.7リットルV型6気筒ユニットの後継機種で、ジャガーとしては3世代目のコモンレールシステムを採用している。
新ディーゼルは、2800rpmから上でセカンダリーターボが作動。最大出力は275ps、最大トルクは61.2kgmと非常に強力だ。とくに500rpmのアイドリング時で、51kgmもの最大トルクを発生している点が注目できる。ジャガーによると、低回転域でのトルクはV8ガソリンエンジン並みだという。
旧2.7リットルと比較して最大出力は33%、最大トルクは61%も向上。その効果で、0 - 96km/h加速5.9秒、最高速度250km/h(リミッター作動)の俊足ぶりを見せつける。それでいて、環境性能は欧州複合モード燃費14.9km/リットル、CO2排出量179g/kmと優秀だ。2.7リットル比で燃費は12%、排出ガスは10%改善。排出ガス性能は、ユーロ5に適合している。
ジャガーカーズのGeoff Cousins常務は、「パワー、パフォーマンス、安全性、快適性、経済性。どれを取っても、XFディーゼルはポリスカーに最適」と自信を見せる。
XFのポリスカー仕様は、ルーフの青色フラッシュライト、ナンバープレート認識システム、コンピューター、無線システムなどを搭載。イギリス高速警察のスタッフォードシャー、マーシア、ウェストミッドランドに、合計7台が配備された。英国中部をドライブする機会のある人は、ブルー&イエローのデカールを貼り付けたXFに、くれぐれもご用心。