2010年小型車需要、西欧以外は回復…JDパワー

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中国向けマツダ2セダン
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JDパワー・アンド・アソシエイツは5日、「2010年世界市場小型車需要予測」を発表した。小型車の新車販売は西ヨーロッパ以外の大半の主要市場での回復が予測されるという。

全世界の小型車販売が09年の底から回復へ転じている現在、成熟市場は総じて09年以前の水準に徐々に戻り始め、中国、インド、ブラジルなどの新興市場は着実に成長をし続けるとJDパワーは見ている。

JDパワーでは10年の全世界の小型車の販売台数は09年比で4%増加して6690万台になると予測している。10年の2月まででは、全世界の小型車の季節調整済み年率換算値は6870万台であり、前年同期の5660万台と比べて著しい回復を見せている。

ただし、いくつかの地域、とくに09年に政府による刺激対策が販売を牽引した地域は、今年も苦戦が続くという。

●米国における小型車の新車の一般販売とフリート販売を含めた合計販売台数は、09年の1150万台から10年に1170万台へ若干増加する。

●西ヨーロッパにおける小型車の10年の販売台数は、09年の1500万台から8%減少して1370万台となると予測している。減少の主な要因は09年に販売を牽引した廃車・代替奨励金が終了したことにある。西ヨーロッパの諸国の中で減少率が最も著しくなるのはドイツとイタリア。

●東ヨーロッパでは市場の緩やかな回復が始まる。10年の販売台数は1%と小幅な増加をして320万台近くまでとなるであろう。増加の主な要因はロシアにおける廃車インセンティブであり、それによりロシアでの販売台数が10年には09年比で10%伸び、160万台になる。

●アジア太平洋地域の成熟市場では、増加の程度は国によってさまざま。日本における10年の年間販売台数は、トヨタのリコールが影響しておらず、09年比で11%増加して500万台になる。

●アジアの新興市場では、10年の見通しはもっと明るく、中国、インド、ASEAN各国の市場がそれぞれ2年連続して伸びる。

中国における10年の小型車の販売台数は09年比で8%増加して1400万台に達する。これは現在の売れ行き状況をベースに計算した控えめな予測であり、中国の販売台数は政府のインフレ対策によっては、予測を超える可能性がある。インドの年間販売台数は09年比で12%増加して230万台になる。ASEAN各国の市場における合計販売台数は09年の160万台に対して12%増加して180万台になる。

●南米地域の販売台数はブラジルにおける著しい成長に牽引され、09年比で15%増加して460万台になると見込んでいる。ブラジルの市場は10年に12%成長して販売台数が340万台となる勢いである。

《高木啓》

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