ポルシェが2月に発表したレース専用車、『911GT3 Rハイブリッド』。27日、ドイツで開幕した「ニュルブルクリンク長距離耐久選手権」に参戦し、6位で完走を果たした。
911GT3 Rハイブリッドは、レース専用車の『911GT3 R』をハイブリッド化したモデル。リアに置かれる4.0リットル水平対向6気筒エンジン(480ps)はそのままに、フロントアクスルに2個のモーターを追加した。それぞれが81.5ps、合計163psのエクストラパワーを生み出し、エンジンが後輪、モーターが前輪を駆動する4WDとなる。
市販のハイブリッド車と異なるのは、バッテリー(2次電池)を搭載しない点だ。2次電池の代わりに、電気式の「フライホイールジェネレーター」を助手席部分にレイアウト。これは減速時にモーターが回生ブレーキの役目を果たし、フライホイールジェネレーターを最大4万rpmまで回して、電力を蓄えるシステムだ。
この電力は、ステアリングホイールのスイッチ操作によって、約6 - 8秒間引き出すことが可能で、追い越し等の加速が必要な時、モーターがエンジンパワーをアシストする役割を担う。
ポルシェは、この911GT3 Rハイブリッドで27日、ドイツで開幕した「ニュルブルクリンク長距離耐久選手権」に初参戦。モーターによるエクストラパワーの効果もあって、見事に6位入賞を果たした。ポルシェワークスドライバーのひとり、Joerg Bergmeister選手は、「初レースで、この結果は驚き」と、911GT3 Rハイブリッドの潜在能力の高さを評価している。
911GT3 Rハイブリッドは、5月15 - 16日、ドイツで開催される「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」にも参戦予定。ポルシェは、ハイブリッドレーサーのポテンシャルの高さをアピールする方針だ。