トヨタが北米市場において、広告出稿の制限や内容の変更を行っている可能性がある。リコール問題が影響しているようだが、とくに屋外広告看板が、もとより視覚的に目立つだけに出稿状況の変化も目立つ。
従来は『プリウス』や『カムリ』、そしてレクサスブランドで販売されている車種の広告が掲載されていたメディアや屋外広告看板に関して、リコール問題が大きくなった時期に出稿を停止したり、もしくはリコールとは関係ない車種やターゲット層が違う広告に切り替えるなどしているようだ。
トヨタの広告が掲示されているニューヨーク市内にあるいくつかの大型屋外看板は、現在ではファミリー向けのSUVが掲示されており、そのキャッチコピーも主婦向けのものとなっている。また近郊のある看板ではこれまでトヨタの広告が掲示されていたものが、異業種の広告に切り替えられていた。
ニューヨークを拠点にするある広告媒体管理会社によれば、契約期間切れの場合もあるようだが、期間内であってもコンテンツの変更を指示されたケースもあるという。新聞や雑誌に掲載されている広告の一部はリコールの告知や謝罪広告に変更されたといわれ、トヨタのリコール問題がが広告戦略の面にも影響を及ぼしていることがわかる。
なお屋外看板大手のバイアコムは、個別のクライアントの詳細情報は公開していないとしてコメントを避け、トヨタからも具体的な出稿状況に関して返答は得られなかった。