日産自動車は12日、タイの子会社タイ日産自動車(NMT)が、新型グローバルコンパクトカー『マーチ』をラインオフしたと発表した。同モデルは、タイで生産して日本にも投入される。主力車種の生産を海外に切り替えるのは日産が初めて。
新型マーチは世界160の国と地域で販売される予定で、タイのほか、インド、中国、メキシコでも生産されるグローバルモデル。
タイ政府は、タイでの温暖化ガス排出・燃料の削減と自動車産業の投資促進を目的としたエコカー政策を施行しており、新型マーチは、タイで初めてこの政策に適合するモデルとなる。
新型マーチは、新開発「HR12DE」(1.2リットル3気筒ガソリン)エンジンを搭載し、CO2排出量120g/kmを達成する。トランスミッションは、5速マニュアルに加え、副変速機を備えた小型軽量の新世代エクストロニックCVT(無段変速機)を設定する。
日産の志賀俊之最高執行責任者(COO)は「日産は、低燃費とCO2排出量の低減を実現する環境に配慮した車を、タイのお客さまにいち早くお届けすると同時に、同国での生産拡大や輸出を通じてタイ経済の成長にも貢献していきたい」とコメントした。
NMTの長谷川亨社長は「新型マーチは、スタイリッシュで洗練されたエクステリアと広々とした室内を実現したエコカー。タイでは、自動車需要が拡大しており、顧客の環境意識が高まってきていることから、今がまさに投入する最適なタイミングと考えている」としている。
NMTは、新型マーチの予約注文受付を3月13日から開始し、バンコク国際モーターショー2010が開幕される3月26日から販売を開始する。販売価格は、37万5000タイバーツ(約103万円) - 53万7000タイバーツ(約147万円)で、2010年度には、2万台の販売を目指す。
NMTは、中期経営計画で、2012年までに毎年1モデル以上の新型車を投入し、10%以上の市場シェアを達成することを目標としており、新型マーチが計画達成の最重点モデルとなる。
NMTの2009年度販売台数は、3万4000台、前年同期比22%増となる見通しで、2010年度の販売目標台数は4万8000台を計画している。