【新聞ウォッチ】三菱ふそう、元会長ら有罪確定へ

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2010年3月12日付

●温室ガス総量規制が軸、基本法案原発推進を明記、きょう閣議決定(読売・1面)

●ジェイテクト新社長に井川氏、トヨタ出身(読売・10面)

●トヨタの課題2:安全性、消費者に説明を、徳大寺有恒氏(読売・11面)

●ふそう元会長ら上告棄却、三菱自動車タイヤ脱落、虚偽報告、有罪確定へ(読売・38面)

●トヨタ、定昇維持、労組要求通り、一時金なお隔たり(朝日・7面)

●トヨタ合弁「NUMMI」来月閉鎖、工場去る街募る不安(朝日・13面)

●日産、タイ工場「マーチ」逆輸入、日本人担当常駐、品質を最終確認(朝日・13面)

●茨城空港開港、乱立…厳しい採算、重要喚起が不可欠(産経・3面)

●「ブレーキ優先」導入、国内大手位、批判に対応(産経・3面)

●VW販売台数過去最高、2010年予測(東京・8面)

●太陽電池、アジア勢、日本進出加速(日経・9面)

●独VW、来週から議論、スズキとの提携内容具体化(日経・9面)

●ホンダ『CR-Z』発売2週間で7000台受注、年間計画の6割(日経・11面)

●富士重、乗用車増産へ70人配転(日経・11面)

●どうなる来期業績、自動車、ホンダ、収益に安定感、日産は中国での強み光る(日経・15面)

●ダイハツがリコール(日経・38面)

ひとくちコメント

三菱自動車製の大型トレーラーのタイヤ脱落事故を巡り、国土交通省に虚偽の報告をしたとして、道路運送車両法違反罪に問われた三菱ふそうトラック・バス(三菱自動車から分社)の宇佐美隆・元会長ら3人の被告の上告審で、最高裁第1小法廷は「被告側の上告を棄却する」決定をした。その結果、3被告をそれぞれ罰金20万円とした二審・東京高裁判決が確定する。

きょうの各紙が社会面で大きく取り上げている。問題となった事故は2002年1月に発生。走行中の大型トレーラーの左前輪が外れ、歩道を歩いていた家族を直撃。3人が死傷した。事故原因は、車輪と車軸をつなぐ「ハブ」の破損だったが、宇佐美元副社長らは国土交通省に虚偽の説明をしたとして起訴された。

一審・横浜簡裁判決は報告内容について検討しないまま無罪。これに対し、二審・東京高裁判決は「報告要求は適法・有効だった」と判断。ハブの摩耗が小さいにもかかわらず破損していた例が1998年以降に7件起きていたことを3人が把握しながら、担当者が国に「製造上の原因による強度不足ではなく、整備不良が原因だ」などという虚偽報告をすることを了承したと認定し、一審を破棄して罰金20万円の有罪とした。

トヨタ自動車の一連のリコール問題とリコールを避けよう国に虚偽の報告をした三菱自動車とは似て非なる出来事だが、イメージダウンにつながったことでは同じである。宇佐美被告は「到底納得できない」(日経)とコメントしているが、脱落事故からすでに8年が経過している。社会面にスリーダイヤの社名が取り上げられるだけでも信頼回復にはマイナスである。

《福田俊之》

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