【スズキ キザシ 試乗】味付けしだいでは大化け…森口将之

試乗記 国産車
キザシ
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凝縮感のあるデザインに、強靭なボディ、締め上げられたシャシー。アスリートを思わせるセダンだ。その持ち味が生きるのは高速道路。直進安定性は完全に国産車の枠を超えている。山道でも身のこなしは素直だし、ボディやシャシーの剛性感は欧州車レベルで、こちらもいい意味で日本車らしくない。

ただ235/45R18というタイヤはオーバースペックじゃないかと。乗り心地が快適になるのは100km/h以上だし、ウェット路面での接地感にも不満が残る。北米仕様では3サイズ用意されるうち、中間の215/55R17あたりが適役では?という気がした。

逆にスポーツイメージをアピールするなら、エンジンはレスポンスやサウンドチューンにも気を配り、インテリアはもっと挑発的に仕立てて、「キザシ・スポーツ」として売ってもよかったんじゃないかと思う。

スズキにとっては初のDセグメント、未知の分野だけに、どういう方向を目指すか迷いがあったのだろう。でも素材はいいので味付けしだいで大化けする可能性はある。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

森口将之|モータージャーナリスト
試乗会以外でヨーロッパに足を運ぶことも多く、自動車以外を含めた欧州の交通事情にも精通している。雑誌、インターネット、ラジオなどさまざまなメディアで活動中。著書に『クルマ社会のリ・デザイン』(共著)、『パリ流 環境社会への挑戦』など。

《森口将之》

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