フォードモーターは16日、インド国内28か所の販売店を、同時にオープンさせた。3月に始まる新型車フォード『フィーゴ』(FIGO)の販売に備える。
新型フィーゴは2009年9月、インドで発表。欧州Bセグメントの人気車種、『フィエスタ』をベースに、専用内外装を採用したインド向けの戦略コンパクトだ。フィーゴとは、イタリア語で「クール」を意味する。
新型フィーゴは、フォードのデザイン言語、「キネティック」に従って設計。タイヤはできるだけボディ四隅に配置し、前後のオーバーハングを短縮したダイナミックで躍動感あるフォルムが特徴だ。ボリューム感のあるフェンダーアーチは、足元のたくましさを演出。Bピラーをブラックアウトした効果も手伝って、ウインドウ面積が大きく見える開放感のあるスタイルを構築している。
生産は、インド南部のチェンナイ工場が担当。フォードは同工場に5億ドル(約450億円)を投資して、生産能力を倍増させ、2010年初頭からフィーゴを年間20万台生産する。また、フォードはチェンナイ工場を新興国向け小型車の主要生産拠点に位置づけており、新型フィーゴはインド国内だけでなく、アジア太平洋地域やアフリカへも輸出される。
フォードは16日、インド国内24都市で、ディーラー28店舗を一斉オープン。3月からの新型フィーゴの販売開始体制を整えた。これにより、フォードのインド国内販売ネットワークは、97都市、164拠点へ拡大。フォードによると、この2年間でディーラー数は30%以上増加したという。
フォードインディアのMichael Boneham社長は、「強固なディーラー網の整備により、フィーゴ発売の準備は整った。我々はインド市場の最量販ゾーンに、新型フィーゴを投入する」と自信たっぷりのコメントだ。
インドの2009年新車販売(乗用車)は、08年比17.6%増の181万5000台。フォードは新型フィーゴのリリースで、最大手のマルチスズキを追撃する。